作品のテーマ。こう書くと少し難しい話に聞こえるかもしれません。
こちらはストーリーを通して柱となるテーマを一個決めよう、といったものです。『え、女の子とひたすらイチャイチャしたいだけなんだけど。世界平和とか人類救済とか大仰なの何もないよ』とお思いの方、その場合は『女の子とひたすらイチャイチャする』がテーマですのでご心配なく。
これは、
『作品世界全体で示す』
『主人公の信条で示す』
『ラスボスの起こす事件で示す』
など、いくつかの方法があると思います。
あらかじめテーマを決めておく事で、バトルもので始まったはずのお話がいつの間にかホラーになっていた、幼馴染みとくっつくはずだったのに気がつけば管理人のお姉さんに走っていた、などの迷走を防げる、というメリットがあります。
ただ、テーマと言っても殊更難解で複雑なものではありません。むしろ、『日々誰もが思っている簡単な疑問などを、とことん肥大、拡大解釈させたもの』の方が分かりやすくて奥が深いものを作れると思っています。
例えば、『ブログやSNSが好きな人がいるのは分かるけど、書きたいときに書き込むではなく、いついつまでに記事を書かなきゃいけないからネタ探しに走り回らされている人って何に追い詰められているの?』とか、それくらいの距離感、温度感で全然構わないのです。
後はそれを、坂道を転がる雪玉のように膨らませて、世界を終わらせてしまうような思想にしてしまえば『分かりやすいけど奥が深い』ものになるのではないかな、と。
先ほどの冗談のような『女の子とイチャイチャ』の場合、やろうと思えば『地球全人類女子が主人公(またはラスボス)と結婚したがっているため他の人達が子孫を残せず世界が滅ぶ』といった形にもアレンジできますしね。
あと、テーマを決めたら、次は主人公がそのテーマに伸るか反るかだけ決めておきます。
平たく言えば、
『主人公の信条そのものが作品テーマである』
『理不尽なデスゲームや社会システムなどが作品テーマであり、主人公はそれを打破する側に回る』
のどちらに寄せるか、という話ですね。
作品テーマと主人公の信条は、必ずしも一致させる必要はありません。
伸るか反るか。
どちらにも異なる面白さがありますので。
ただし、ぼやっと無関係な信条を主人公に与えるのではなく、肯定するか否定するか、両極端に寄せておくと、主人公が世界観からふらふらと離れてしまう……といった問題を事前に潰せるはずです。
あるテーマが存在するからと言って、登場人物全員を肯定、否定、同じ向きに揃えなくても問題ないと思います。犬が好き、猫が好き、犬は嫌いだけど猫が好きって訳でもないなど、あるテーマについて、各々のキャラクターが各々の考えを持っているべきですので。
それらをまとめた上で、最後に主人公がどう結論付けるのか、というので一本の軸が出来上がる訳ですからね。