不思議なものは何も出てこない話を書く場合には必要のない項目です。
 いや、ひょっとしたら会社名とか学校名とかで少しは役に立つのかも?
 魔法や超能力などの設定は『既存の神話や物理・化学の法則を利用する』か『ゼロから自分で作る』かの二択になると思います。
 前者は歴史の積み重ねがある分安易に重厚な設定を作れる一方、有名な神話系の名前を乱発すると安っぽくなる、といったデメリットがあります。
 後者の場合は言うに及ばず、『なんかすごそう感』を自力で構築するのは相当に骨が折れます。


 ネーミングについては、作中に登場する組織ごとに法則を決めておくとパキッとした統一感を出せます。例えば組織が二つある場合は、片方は『スキル〇〇』で統一、もう片方は『漢字四文字にカタカナルビ』で統一、などですね。
 余談ですが、特殊ルビを振る前提だと元となる文字は四文字はほしい、カタカナルビの場合英単語は二つまで、くらいが妥当かなと思っています。


 バトル系の場合はまず主人公とボスキャラの設定を決め、彼らを説明するのに必要なワードを少しずつ固めていく……というやり方をするとお話作りで迷子にならずに済みます。
 これは『必要のないワードをしこたま量産して邪魔な情報が増えてしまう』『主人公よりサブキャラの方が目立ってしまう』などの問題を防止するのと同時、『全ての中心となる設定に主人公とボスを置く事で、作品のどこを読んでも主人公達に注目が集まる=自然と他のキャラが主人公やボスを一目置いてくれる』という効果も生み出せます。


 ちなみに、漢字にカタカナ特殊ルビを振る場合、やるんだったらとことんやる、やらないなら一回もやらない、と完全に割り切った方が良いと考えています。
 参考までに。私の場合、『とある魔術の禁書目録』『未踏召喚://ブラッドサイン』が思いきりルビだらけなのに対し、『ヘヴィーオブジェクト』では外伝枠の『死の祭典』以外は一切使っていません。
 特殊ルビは特殊ルビで、それ自体は見た瞬間に少し違和感を覚えるものです。これは、『この作品はこういう表現が普通に使われているものだから』という事をしっかり提示して、初めて受け入れてもらえるものではないかな、と。
 だから、途中まで普通の文体だったのに、途中で一回だけ特殊ルビ、とかいう風にやってしまうと、ケレン味よりも先に違和感の方が強く出てしまい、それを払拭できないまま終わってしまうかもしれません。


 ちなみに、カタカナ用語でスキルを作る場合、非常に便利なテクニックがあるので表記しておきます。

『単語の末尾にer、またはistをつけてみる』

 というやり方です。
 例えばボトルキープ+erでボトルキーパー、フィジカル+istでフィジカリスト、などですね。
 er、istは~する者、といった意味がありますので、スキル系とは滅法相性が良かったりします。
 さらに、er系やist系の手前にもう一つ英単語を組み合わせると具体性が増します。
 例えばマインド+イレーサーで精神を消すもの、とか。
『何を』『何する』とまで表記すればイメージもしやすくなる訳ですね。
 もちろんこれは『基本セット』ですので一ひねりを加える必要がありますが、今一つインパクトが足りない、といった場合の調味料くらいの気持ちでストックしておくのは悪くないと思います。