エッセイ「電撃的 春夏秋冬」第14回
『うわみくるまと5月の空と義妹』
うわみくるま
【プロフィール】権力の忠犬。得意技=安物買いの銭失い。好きなモノ=半額の札。最近いまさら思ったこと=安いモノには訳がある。最新刊『運命に愛されてごめんなさい。(2)』が発売中!
五月晴れという言葉があるくらい、五月の空は爛々としている。
しかし、空は快晴、心は曇りな人間は少なからず存在しているだろう。ゴールデンウィークなる長期休暇の後遺症で、残念な精神状態になってしまうのだ。世間では五月病と言うらしい。
かく言う私も、学生時代は五月病に悩まされていたような気がする。いや、年がら年中学校に行きたくない病だった気もするけど……。
とにかく、五月病でなにもやりたくないでは話にならない。鬱屈を発散させるには、外で思いっきり遊ぶのがいいのではないでだろうか?
そんなとき、私は世界一可愛い義理の妹と出かける。
なにを隠そう私には、十二歳の義妹がいるのだ。二次元ではなく、ちゃんと三次元に存在している。妄想ではありません。本当です。
義妹はとにかく可愛い。繰り返すが世界一可愛い。
私は過剰なる愛情のあまり、毎日のように全裸の義妹に抱き、色んなところを撫で回している。義妹は毛深くてとても抱き心地がいい。
ちょっと話が逸れたが、そんなわけで、兄妹仲良くに散歩に出かけるのだ。
私たちの散歩はマニアックである。
1.全裸の義妹に首輪をつける。
2.首輪にリードを繋ぎ、私がリードを引く。
3.義妹は比喩ではなく道草を食う。
以上のようなSMプレイのような散歩をする訳だが、運の良いことに今まで警察に通報されたことは一度もない。すれ違う人は見て見ぬフリをするばかりか、中には「可愛いですねぇ」と声をかけてくる者もいる始末だ。全裸の少女を連れている男性に向かって、気さくに声をかけてくるのだ!
世間の懐の深さは、私の想像を超えていた。
この世も捨てたものではない。
かくして、義妹とのイチャイチャな散歩を経て、私の心は五月晴れのように燦々とするのだ。明日から頑張ろう。
(ちなみに私の義妹は、ボーダーコリーという犬種である)
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