エッセイ

エッセイ「私の電撃体験」第17回

essay_taiken_iruma

入間人間

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』にて2007年にデビュー。電撃文庫『電波女と青春男』『トカゲの王』やメディアワークス文庫『探偵・花咲太郎』シリーズなど、数々のヒット作を生んでいる。

だからなんで……何番目? とりあえず今回は7番目ではないです、こんにちは。
 デビューしてから5周年と2ヶ月記念にエッセイを書かせていただくことになりました。近所のラーメン屋の31周年ぐらい中途半端ですが、しかし電撃体験とか言われても、矢木さんとか天じゃないんだから、そうそう電流など走っても困る。作家になってからの体験で衝撃的なことは書くと問題になるようなことばかりだし。間違いなく消される。
 なので関係ない話をしますと、群像劇が好きなんですね。ゲームの『街』とか未だに何度もやり直して遊んでいますし、映画もそういう系統のものばかり観ています。どうしてそんなに好きなんだろうと考えると、自分以外にも人間っているんだなぁという、当たり前のことを認識できる点にあるのかなぁと思っています。
 自分の知ることができない場所、見えていないところにもちゃんと世界があって、誰かがいて、なにかが起きているということを意識すると、内容を言葉で説明できないけれど感極まってしまうのです。変態ですね。駅とかで自分以外にたくさんの人が行き来しているのを見て、『この人たち全員にそれぞれの目的があって移動しているんだよなぁ』と想像すると、息が詰まるほど感動しています。そういう病気なのです。
 そうした人々がどこかで繋がって、一つに収束する……というのが最近の群像劇のお約束になっていますが、個人的に群像劇は『すれ違い』が醍醐味というか、好みです。現実のお話も都合よく収束することはあまりないけれど、誰かとすれ違っていくことは日常的にあるわけで。そうした部分を強調した群像劇をいつか書けるといいですね。綺麗にまとまる話の方が人気とか評価は高くなるんですよ、当たり前ですけど。
 などとそうした感動によって、新作『クロクロクロック』は生まれました。
 まぁようするにこのエッセイ、今月刊の宣伝のために書いたんです。よろしく!

NEXT

次号は『ヴァルトラウテさんの婚活事情』の鎌池和馬先生が登場!

※画像を無断転載することは一切禁止します。

PAGE TOP