エッセイ

エッセイ「私の電撃体験」第20回

サイトーマサト

2010年7月『彼女はつっこまれるのが好き!』にて電撃文庫デビュー。最新8巻は今月発売!!

つい先日のことです。家族でちょっといいレストランへ食事に行きました。普段は絶対に行かないような、高級なお店です。だもんだから、家族全員そこそこ緊張していました。正しい食事のマナーも分からないし、あまりの緊張でぶっちゃけ味も分からない。たぶん、おいしかったと思います。高いんだからおいしいに決まってます。縮こまりながらも、大皿で運ばれてきた料理をみんなで小皿に取り分けながら食べていました。そんな時です。私はあることに気づきました。なぜか、私の使っている取り皿だけが、他の物より一回り小さかったのです。これは一体どういうことなんでしょう。高級なお店に慣れていないサイトー家は大混乱です。みんなであーだこーだと言い合い、出た結論はこうでした。「きっと、厨房で使っている味見用の小皿を間違えて出してしまったんだ」さあ、もしこの推測が当たっていれば大変なことです。間違えて出してしまったのが我々サイトー家だったから良かったものの、これがもし、器にまでこだわるお金持ちのお客様に出されていたら…………。私は、勇気を出してウェイターさんに注意してあげることにしました。間違いは誰にだってあるものです。しかし、間違えたことに気づけなければ、成長も反省もできません。なので私は、次の料理を運んできてくれた男性にそっと言ってあげました。
「あの…………このお取り皿なんですけど」
「お客様、そちらはカップソーサーでございます」
 きょとん。のちに、赤っ恥。そうです、私が間違えて、最初に出されたお茶のソーサーに料理を取り分けていたのです。は、恥ずかしいぃぃぃ!! こんなに恥ずかしいことがあるでしょうか。ドヤ顔で注意してみればこれですよ。あまりの恥ずかしさに手も痺れるほどの、まさに電撃体験でした。

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