STORY 「やることが出来た。ガキを一人助ける。止めても無駄だぞ」危険すら顧みず、何の縁もない一人の少女を守るために「迷宮層」の全てを敵に回す、掛け値なしの馬鹿、チャンク。それが、この地下神話の主人公だ。ここは、見上げれば天蓋に覆われた地下都市。クズしか存在しない底辺。猥雑な建築物が建ち並び、奇妙な熱気に包まれたその街は、「迷宮層」と呼ばれている。
 そんなスラム街で生まれ育ったチャンクの生業は、郊外エリアに湧き出てくる機械獣カニバルを索敵して狩り殺すこと。最低の環境だったが、チャンクはそのシンプルな生活が気に入っていた。電脳使いの天才で引きこもりニートの兄セウト。カニバル狩りの友人ダストバニー。守銭奴の情報屋ネロ。マフィア私兵集団「天使部隊」の少女ミザルー。変人達に囲まれて生きるチャンクの日常は、しかし、ある日一変する。彼が狩りの最中に拾った謎の少女、リリィ。それが、地下世界を揺るがす大事件の始まりだった――。
WORD ●人工地下都市『宇宙島』
地上世界が荒廃した人類は、広大な地下層を居住区としている。地下層は4つに区分されていて、上流階級が暮らす『上町』、スラム地区の『迷宮層』、機械モンスターが自動発生する謎の区域『工場層』など複数の階層に分かれている。

●迷宮町
『迷宮層』にある居住地区。落伍者やアウトローばかりで、まともな人間はすんでいない。違法建築や廃墟だらけでごちゃごちゃしたスラム街だが、常に活気にあふれている。

●カニバル
『工場層』で発生する鋼鉄製の殺人モンスター。発生原理は解明されていない。人類の居住区に侵食してこないように、カニバルバスターたちが狩りをしている。クモ、昆虫、甲殻類などを模しており、いくつかの型に分類されている。

●カニバルバスターとカニバルマフィア
カニバルを駆除することで支払われる報奨金によって生活しているハンターのことを「カニバルバスター」と呼ぶ。そして狩りの縄張りを管理している迷宮層の支配者たちが「カニバルマフィア」である。
CHARACTER 
●チャンク
廃墟群に生息する機械獣カニバルを狩って生計をたててているハンター。スラム育ちのために粗野で下品だが、仲間想い。昔は兄とコンビを組んでいたが、現在はソロで活躍中。
(セリフ)
「チビのやせっぽちのガキ以外、皆殺しで!」

●リリィ
廃墟群でチャンクに保護された謎の少女。言葉数は少ないが感情表現は豊かで、チャンクになぜか懐いてしまった。電脳操作においては非凡な才能を持っている模様。
(セリフ)
「チャンク、今のもう一回やって。ボンッ! ていうの」

●セウト
チャンクの兄。チャンクとカニバル狩りでコンビを組んでいた時は痩せてイケメンだったが、今はただのヒキオタニートピザ野郎。電脳分野では天才と呼ばれていた。
(セリフ)
「つーか違ーぞっ! おれはロリコンじゃねー!」

●ダストバニー(右)
チャンクの友人のカニバルバスター。得意分野は「索敵」。チャンクに好意を寄せていて、ことあるごとにアプローチをかけているが気づいてもらえていない。
(セリフ)
「チャンクって、ぶっちゃけあたしのこと嫌いなのかな?」

●ネロ(左)
チャンクたちが倒したカニバルを査定して、報酬申請を代行する「査定屋」。迷宮層の動向に詳しい物知りだが、他愛のない情報にすら金銭を要求する守銭奴。
(セリフ)
「その質問、友達のネロに聞いてる? それとも情報屋のネロ?」

●ミザルー
迷宮層を支配するマフィア勢力の一つ「天使部隊」に拾われた孤児。「浄化」と呼ばれる治安維持活動に従事。生真面目な性格で、チャンクとは顔を合わせる度に喧嘩している。
(セリフ)
「ズ、ズリネタだと……! 私で妙なことしたら殺すっ!」
書誌情報 電撃文庫
重力迷宮のリリィ

金子跳祥
イラスト/ななしな

定価(610円+税)
5月9日発売!