【Search Engine】専門家の意見【Absolute NOAH】
ヴァルキリーは数あるアークエネミーの中でもトップランクで奇妙な生い立ちを抱えている種族だ。
それは北欧神話で神の使いとして登場するが、明確な女神とは位置づけが違う。
ヴァルキリーは神々の一員として凄まじい力を振るう勇猛果敢な女戦士でありながら、しかし同時に人間の女として下界に降りて、ごくごくありふれた男性と結婚もする。ヴァルキリーには優れた武人の魂を見つけ出して天界の軍勢エインヘルヤルの一員としてスカウトする役割もあるが、この結婚にはそういう意図はない。『結果として』ハーフになる子には優れた武人の素質が宿る事もあるが、基本的に両者を結び付けるのは愛情である。
それでいて、ヴァルキリーは人間の妻として下界で長い時間を過ごし、しかし神々から必要とされれば元の女戦士として神々の戦いの最前線へ瞬時に復帰するため、躊躇なく人間の家庭を捨てる。天界アスガルドへ戻り、神の使いとしての仕事を全うする。
つまり、人間とアークエネミー、現世と異界を自由に行き来する存在なのだ。
彼女達、ヴァルキリーの本質は不明だ。
神の使い、人間の妻。
あまりにも立場の違う二つの顔を矛盾なく両立できてしまうのが、彼女達ヴァルキリーであるらしい。
さて、ここで夢のある意見を一つ並べるならば。
もしかすると、平凡でつまらない家庭に見えるあなたの隣には、神の使いがしれっとした顔で立っているかもしれない。
何しろ人間の妻である間は、人間とヴァルキリーを見分ける方法は一切ない。彼女達はまさに『完璧』と言える精度で、人類社会の全てを騙しながら良妻賢母を演じているのだから。