【confidential】にわとり部隊について【storage A51】
空軍というと戦闘機や輸送機といった航空機に搭乗するのが一般的と思われがちだが、実際のパイロット人口は空軍全体の一割にも満たない。機体の整備点検、基地警備、燃料輸送、レーダー観測手や管制官など、航空インフラを支えるにはそれだけ人手がいる訳だ。
そんな中でも飛べない鳥と呼ばれる男達がいる。地上勤務の空軍関係者は基本的に基地周辺から遠出しないが、彼らは例外的に銃を持って外へ出る。
赤外線誘導装置やGPSマーカーなどの地上支援機器は通常、陸軍や海兵隊などの精鋭に貸与する格好になる。
つまりそうしたすり合わせの手間すら惜しむようなデリケートな案件のみ、飛べない鳥は速やかに現場へ浸透する。当然、彼らが上層部からどれだけ期待されているかは言うに及ばずだ。
にわとり部隊が表に出る時、すでにその空爆作戦は真っ当な軍事計画の外にある。彼らはホワイトハウスにしがみつく政権の命脈を担う。だからこそ、なりふりは構わないのだ。彼らは何としてもタイムテーブルを優先し、与えられた空爆作戦を成功に導く。単純な善悪を超えた世界を維持するための巨大な歯車。彼らの生き様はまさにその体現だ。
以上が基地周辺の酒場に流れる噂だが、意図して放置。真実を覆う隠れ蓑としては悪くない。