【crucial notice】周辺捜索状況【on the pinup board】



 供饗市を中心に全世界規模で展開されていたアブソリュートノアは実質的に機能停止。

 内部闘争によるものと推測。

 捜索部隊が今も活動を続けているところを見ると、首謀者のエキドナは逃走中とみなすべきか。

 ただし、それとは別に同市郊外において巨大な蛇の鱗と血痕らしきものをいくつか確認。高確率でエキドナの体組織と思われるが、アブソリュートノアの手による傷ではなさそうだ。

 コンタクトは途絶。

 エキドナはトカゲの尻尾を切って逃げ切ったのか、ここに残るのが全てであって完全確実に消されてしまったのか。証明手段はない。

 現場の痕跡は皆無。たとえアークエネミーの手による異能であってもそれは科学捜査では見つからないというだけで、我々含むオカルトまで幅を広げれば通常何かしらの発見があるはずなのに、だ。

 要警戒。

 アレが潜伏している可能性がある。

 吸血鬼やゾンビ、魔王などとは根本が違う。人間側はルール作りが遅れているというか、アレに関するカテゴライズ研究を禁域扱いしているためか、アレを的確に指し示す用語はない。よってアークエネミーの枠にぶち込まれているが、この暫定的な扱いにどこまで意味があるかはかなり不明瞭だ。