あとがき
そんな訳で吸血鬼の姉とゾンビの妹でございます。今回で七冊目だったかな。
鎌池和馬です。
今回は基本の基本に立ち返ってゾンビや吸血鬼をクローズアップしてみました。一巻でのシミュレータ上の後先考えない大暴れと、リアルに後始末まで考えなくちゃならない実戦の違いを見比べていただくと、アークエネミー達の夢と現実のような線引きが垣間見えるかもしれませんね。
ゾンビの元となっているブードゥーと吸血鬼の根幹には、『呪い』というフレーズを用意しています。かつ、冒頭で何の変哲もない女子高生までもがこの呪いを悪用しているのがポイント。言葉の幅がえらく広いためか、いわゆる近代西洋魔術などと比べるとプロアマ問わずな印象があります。でも、もしもオカルトがほんとにあったらそっちの方が管理不能でおっかないような、とも。
三巻、四巻、そして今回と、委員長はダウンしている事が多くなってきましたな。しかし何故だか病弱だったりか弱い印象が出ないのが不思議なキャラだったりします。四巻のアナスタシアや五巻の天津ユリナと比べても、どこか何かが違うような? この委員長を取り巻く不思議な安心感については回を重ねる事で生まれたほとんど偶然の産物なので、自分的に今後の要注目分析対象だったりします。……もしや、幼馴染みとはそういう風にできているのか……?
腐れ縁といえばマクスウェルも成長……しているような? その内絵文字やイラストだけで会話しそうですな。ただあれだけ減らず口を聞いてもサトリ少年が水着ダンスを所望すれば迷わず実行する辺りに可愛げを見出していただければと。
イメージイラストの真早さんと担当の三木さん、阿南さん、小野寺さん、中島さん、岸上さん、見寺さん、山本さんには感謝を。こちらのシリーズも随分キャラが増えてきて、贅沢にも誰をどこで出すか悩む事ができるようになってきたのもシリーズ通しての多大なお力添えのおかげだと思っております。たくさんのキャララフなどからアイデアをいただきました。今回もありがとうございます。
そして読者の皆様にも感謝を。七冊という文量は決して少ないものではなく、ここまで書き進める事ができたのは皆様の応援あっての話だと思っています。通常の文庫とはちょっと変わったフィールドに居場所を作っておりますが、今後とも応援していただけましたら、これに勝る喜びはございません。
それでは、今回はこの辺りで。
もう光十字とか懐かしく聞こえる辺り、このシリーズも成長したんだなあと鎌池和馬