ほうかごがかり4 あかね小学校
三話 ②
※
トピック:友達からの変なメッセが
別の学校の友達から変なメッセとデータがきて
内容は、送ったデータをプリントして学校に置いてほしいというお願いです。
私の学校でひどい目にあっている子供たちを助けるためだそうです。
ちょっと
言う通りにした方がいいでしょうか?
できれば他の学校の子にも
データは『ほうかごがかりのしおり』という変なプリントみたいなやつでした。
※
その、内容を読んで。
「これ……!」
思わず
それから、相談に書かれている情報も。
このトピックへの、それほど多くはない返信は「イタズラ」「チェーンメールだから無視するべき」というものばかりだったが、『ほうかごがかり』当事者である
学校で見かけたという、友達の報告とも
「これって……」
どういうことだろう? 真っ先に考えたのは、自分もこのトピックに返信を書こうかということだった。しかし一年前のトピック、しかも
それでも他にないのなら、
だがしかし、このトピックには、
質問の
画像は四枚。それは、そのまま印刷して二つ折りの冊子にできるような形でページがレイアウトされた、学校のプリントを思わせる
その中の一つは、表紙と裏表紙を一枚にした画像。
殺風景な表紙には、タイトルとしてこう書かれていた。
『ほうかごがかりのしおり』
と。
画像を急いで保存した。そして書かれていることを
そしてその内容に、
『
わたしは、あかね小学校の『ほうかごがかり』です。
あなたの作った『かかりのしおり』を読みました。
………………
2
『助けてください。
わたしたちの学校の『かかり』は、いま大変なことになっています。
夏休みになる前に、もう何人も
それだけじゃなくて、とても信じられないことも起こっています。
とても理解できないことが起こっています。
どうすればいいのか分かりません。
お願いです。
こんなお願いをしていいのか分かりませんが、協力をお願いします。
たぶんもう、わたしたちだけだと、どうにもできません。
このままだと、きっと、みんな死んでしまうと思います。
勇気を出して
わたしたちを助けてください。
なんの手がかりもないんです。
話だけでも聞いてください。
少しでもわたしたちが助かるヒントがほしいんです。
お願いです。返信待ってます』
†
夏休みになったので学校がある時のようには集まれないと、それを言いわけにして、みんなとは相談しないで
それを後ろめたく思いつつ、メッセージを送信して。ドキドキしながら、
送信先は、例の『ほうかごがかりのしおり』の画像の
名前は『ほうかごがかりのしおり編集委員会』。
相談の
『
あの化け物たちの名前を、
この『しおり』は、『ほうかごがかり』がどういうものなのか、あの化け物たちがどういうものなのか、それから化け物を『記録』するための基本的なマニュアルと、注意
そんな一心で送ったメッセージ。
返事は、翌朝に来た。
『このIDは、そのために
話を聞きます。
見た
やった! 心の中に、一筋の光が差した。それと、こんな時でも、こんな時だからこそ忘れてはいけない、少しの
必死に心を落ち着けながら、返事をした。
『ありがとうございます!!
お願いします!!』
それを送って、少ししたあと、着信音が鳴った。
見ると、その『編集委員会』からの音声通話。急なことに少し
「……も、もしもし」
『君が〝カナ〟さん?』
聞こえたのは若い男の、いや、少年の声だった。たぶん少しだけ
「……はい、そうです。あなたは?」
そんな相手に、
相手は答えた。
『僕が〝そう〟だったのは二年前だ。今は、次に〝そう〟なった子たちが、少しでも生き残れるように、手伝いをしてる』
「!」
少しだけ、そうかもしれないと思っていた。でも実在するなんて。ネットであれだけ探しても見つからなかった
『僕は
そんな〝彼〟が、通話の向こうで名乗る。
『最初に断っておくけど、卒業した僕にできる協力は、アドバイスだけだ。僕らは君らの学校の『ほうかご』には入れない。それでもいいなら話を聞く。どうする?』
「お願いします!」
今は他にないのだ。だからお願いする。自分たちが置かれている
そして、
『明日、現地を見に行く。できそうなら直接会おう』
そう
「えっ」
約束して通話は切れた。
急な約束は、明日の、昼過ぎ。