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 船長室に戻ったカルセドニーはエリダニアへのホットラインに接続した。待っていたのか相手はすぐに出た。
『どうだ?』
「久しぶりなのに、そうくなよ」
『カル』
「そうイラつくなよ。なにも言わずに放りこんだからな、混乱してる」
『うまくいきそうか』
「ああん?……ずいぶん性急だな。ちようほうの報告書がよほどかんばしくなかったとみえる」
『おまえは知らんでいい』
「あいつ……かなり参ってるぞ。もうほんとうのことを話してやってもいいんじゃねえか?」
『なんのことだ』
「前任者たちのことだ。なんであいつに話さない? ここんとこずっと、おむずがりだ。おれはこの件でずっと手を焼いてんだよ」
『それはおまえの対処の仕方が悪いからだろう』
「なんで前任者たちのことを秘密にしておく必要があるんだ?」
『そのほうがいいと判断したからだ』
「答えになってねえよ」
『……目的を達成するためだ』
「はあん。そんじゃおまえはあいつにプレッシャーをかけるためだけに、前任者たちの処遇を伏せておけ、って言ってんだな?」
『そうだ』
「そんでおまえの目的とやらを達成させるために……おれには黙って見てろ、って?」
『……おまえが言いたければ言えばいい』
「口止めしてるのはおまえだぞ?」
『おまえが耐えられない、と言うならな』
「人を馬鹿にしやがって。おまえの立場やおれの階級が関係なくたって……、最後はおれが従っちまう。それをおまえは利用してんだ」
『たまには逆らってみたらどうだ?』
「何度もしようとしたさ。それがどうだ? この二十年、一度もできずにこのザマだ」
『強要した覚えはないぞ』
「ああそうさ。おまえはそんなはしねえ。おまえはおれをうまくあしらうだけさ。とことん計算ずくでな。おれは根っからおまえのなんだよ」
『ふん、自覚はあるんだな』
「前任者たちは生きてるな? それだけは間違いないな?」
『生きている。グロッシュラーの厳重な管理下にはあるがな』
「……ならいい。おれはもう聞かねえ」
『カル?』
「なんだ」
『コランに会いに行ったときのことを覚えているか? そのときコランの息子の髪はアイボリーだったように記憶しているが』
「そうだな」
『なぜいまは違う?』
「なんでおれに聞く? おまえの立場なら簡単に調べられるだろうに」
 少しの沈黙。
『おまえの見立ては?』
「そうだなあ。コランがいよいよ答えでも見つけたんじゃねえか」
『すると手立ては二つになるな』
「強欲だな」
『ふん、それが仕事だ』