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【mobile temp】あとがき【file 10】
そんな訳で鎌池和馬です。
お久しぶりの吸血鬼ゾンビ、何だかんだでもう八巻目になりましたよ。今回は架空の街である供饗市を飛び出して、日本の首都東京におでかけ。分かりやすいランドマークで、かつ最悪なシチュエーションと言えば……と考えた結果、日本一高い電波塔でエレベーターに閉じ込められて宙吊り、という導入がまず頭に浮かびました。
こんな死に方だけは嫌だ。多分今日もどこかでそういった会話はされているんでしょうけど、これほど不毛な意見のぶつけ合いはないと思います。でも一方で、死刑の話を持ち出すなどで犯罪抑止にも繋がっているんですよね。シミュレータも破滅を知った上で被害を回避または軽減するための道具。わお、つまり妄想が社会を守っているのです。何事も使いようなのかもしれませんが、世の中は不思議なものです。
また、今回のテーマは宇宙人です。
どう考えたって地球よりも発達したテクノロジーを持つであろう皆さんがこんな星までやってきてわざわざ地べたの電波塔を襲うとしたらどんな理由があるか。航空機のパイロットにレーザー、はた迷惑なドローンなど最近では珍しくもなくなってきた(まあ慣れたところで問題が解決している訳ではないんですが)題材も組み込んで、こんな形に収めてみました。
……UFOや宇宙人と見間違えそうなモノって、探せば結構ありますよね。資料探しをしていて、むしろそっちの方に驚いた記憶があります。人間は業の深い生き物ですな。
物語としては、宇宙人というトリッキーなネタを使いつつ、基本に立ち返ってエリカとアユミを立たせる格好で、主人公のサトリが災害なり陰謀なりに立ち向かうお話を目指してみました。今回は弱った姉と面倒見る妹が目立っていたかもしれませんね。こうして見ると吸血鬼はほんと弱点が多い。都市インフラが整っていないとやっていけない種族なのかもしれません。
関係性の逆転と言えば、JBとフライシュッツ、サトリとマクスウェルの対比も挙げられます。
人間よりも機械が替えの効かない存在として中心に収まり、個人ではなく集団で動く。また、危険と判断した者は災害を起こしてでも先んじて抹殺する、と。
サトリの方については今回も最後の最後に選択肢を用意しましたが、さて。片方がやればもう片方もやる、というのも一つの方法ですが、主人公のサトリはこの問題にどう立ち向かっていくのか。楽しみにしていただけますと幸いです。
イメージイラストの真早さん、担当の三木さん、小野寺さん、阿南さん、中島さんには感謝を。まず基本があって、崩しに行く事ができる。今回のお話はアユミとエリカのビジュアルが土台になっていなければ組み上げられないものでした。本当にありがとうございます。
そして読者の皆様にも感謝を。ラスベガスに続いての外出編でしたが、いかがでしたでしょうか。ちなみに皆さんの中では、宇宙人は真面目なホラーの対象となりますでしょうか。時代の流れで心霊写真が消えていったのと同じように、これから空飛ぶ車とかが開発・普及するともはやUFO目撃くらいじゃ驚かなくなる時代が来るのかしら、などとも思ったり。何となく、未知なる技術に対する恐怖って遠い星の宇宙人から地球製のAI社会や無人兵器にゆっくり移行しつつあるような、という印象があります。ゾンビやブルマやムー大陸のように、エンタメの中で末永く心に残るものだとよいのですが……。
それでは今回はこの辺りで。
いっそ家族全員でトラブルに巻き込まれるのも……アットホーム過ぎるかな? 鎌池和馬
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