【Support by】酒井イオリという少女【DELTA brain】


 供饗市平野区住宅街三ノ一ノ二に在住。

 アークエネミー・エルフとして市役所に登録済み。

 年齢九歳、女性。

 学校生活は不規則で欠席がち、虫歯の治療に遅れの兆候あり、同じ衣服を連日着回しているなど、虐待の危険サインが複数点灯中。

 両親は共に授業参観に欠席、家庭訪問も拒否。

 近隣住人の証言から昼夜を問わず子供の泣き叫ぶような声が確認されるが、当人及び両親は完全に否定。

 行政の判断は『待ち』。アークエネミー特有の傷の治りの早さから、確たる証拠を掴みにくい事が推測される。

 なお、肉声のサンプルは以下の通り。


『三年三組、酒井イオリ。私の夢は、お父さんやお母さんみたいな立派な大人になる事です』


『……叩いたり、大きな声で怒鳴ったりしない?』


『何でもないよ。大丈夫だよ……』