「絡繰騎士《白檀式》」とは?
ヘルヴァイツ公国の元皇太子妃にして、天才技師としても名高い白檀春海(ハルミ=ヘルヴァイツ妃)。彼女が製作した対吸血鬼戦闘用オートマタ・シリーズの名称が《白檀式》だ。
公国では長い間、戦闘用オートマタの開発は禁じられてきたが、1967年、迫り来る吸血鬼の脅威を前に方針を転換。国を挙げて対吸血鬼戦闘用オートマタの開発が行われた。中でも暗殺者をコンセプトにした《白檀式》は圧倒的な性能で吸血鬼を圧倒。“絡繰騎士部隊”として一躍救国の英雄となったのだった。
――ところが、1970年に発生した《白檀式》の暴走事故により部隊は解体。睦月、如月、弥生、卯月、そして皐月。この世に5体しか存在しなかった《白檀式》たちは皆、処分されたと言われているが……。
「吸血鬼軍による侵略」とは?
1960年、吸血鬼王ルートヴィヒが「吸血鬼への隷属」を求め人類に宣戦布告。電光石火で西ドイツを占領する。それに呼応する形で、それまでひっそり暮らしていた吸血鬼たちが続々と蜂起すると、世界中が大混乱に陥った。
その後、複数の吸血鬼王による連合軍が東ドイツ、東欧各国を支配下に収め、ついに勢力の一部がヘルヴァイツ公国へと侵攻。北方のノイエンドルフ地方を制圧したのだった。
物語は1970年、ヘルヴァイツ公国軍“絡繰騎士部隊”が「ノイエンドルフ奪還作戦」を目前にしたある日から幕を開ける――。