村瀬真琴
・Hollow Years / Dream Theater
・All At Once / Whitney Houston
・デイジー / さだまさし
凛子
「で、最後が村瀬くんなわけだけれど」
朱音
「ドリムシ、ホイットニー・ヒューストン、そんでさだまさし! 見事にばらばら!」
詩月
「まったく傾向が読めませんね……」
伽耶
「あっ、でも、三曲ともバラードですよ」
朱音
「言われてみれば全部しっとり」
真琴
「理由はよくわからないんだけど心の中のいちばん柔らかい部分に触れる曲ってのがあってさ。そこから三曲選んだ。ドリームシアターのは、4thアルバムだっけ? ゴリゴリのプログレメタル曲の合間合間になんか信じられないくらい綺麗なポップソングが挟まってる不思議なアルバムなんだけど、特にこの曲の異様さがすごくて。異様なまでに自然な曲で……ああうん、うまく言えないけど」
詩月
「真琴さんが好きな音楽を語るときの異様さも素敵です」
朱音
「しづちゃん褒めてんのかディスってんのかよくわからないよ!」
真琴
「ああはいすみません、普通に喋ります……。All At Onceは、最初どこで聴いたかも憶えてないんだよね。いつの間にか頭にメロディがこびりついてて、だれの曲かもわからなくて、思い立って鼻歌検索してみたら辿り着いたんだ。ホイットニー・ヒューストンのデビューアルバムの曲だって知ってびっくりした」
伽耶
「先輩その話作ってないですか……?」
真琴
「ほんとだよ! 信じてよ!」
凛子
「さだまさしにはどういう作り話をつけてくれるの」
真琴
「作り話じゃないってば! さだまさしは祖父ちゃんが好きだったんだよ。親父がハードロックしか聴かないから、たまに田舎に行ったとき聴かせてもらう昔のフォークが新鮮でさ。特にデイジーは、なんか、響いたんだよね」
凛子
「その話にはどういうオチがつくの?」
真琴
「オチは別にないよ!」
凛子
「この企画全体のオチも村瀬くん担当だけれど」
真琴
「普通に曲を紹介させてよ! これでおしまいです、どうもありがとうございました!」