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【mobile temp】首都東京、人口と電力消費の関係性【file 03】
本年度調査対象期間における東京都在住の全人口は、奥多摩、島嶼部などを含めて一二七〇万四五〇二名。
男性六二%、女性三八%。
出生率は一・三倍と減少傾向が続き、最大の人口密集地である二三区においても少子高齢化の渦中にある事は否めず。
なお、他県からの通勤通学、国内外からの観光客等一時滞在者は計上しない。これらを含めると、概算で一・五倍ほど膨らむ計算になる。
約二一八七平方キロメートルに対してこれだけの人が集まる人口密集地は世界的に見ても珍しく、また、治安の改善に合わせ、朝昼晩と時間帯ごとの活動人口で言えば世界トップクラスになる。もちろん文化や国民性の問題もあるが、パリ、ロンドン、ニューヨークとて、ここまで騒がしい深夜帯は存在しない。これについては特定のナイトクラブなどを除いた、コンビニ、ハンバーガー、ファミレス、牛丼、カラオケ、屋台、居酒屋等、一般層への深夜営業の普及率がズバ抜けている点が特徴に挙げられる。関連して、条例で対応しているものの未成年の深夜外出率は主要八ヶ国の首都の中でも上位に位置する。
夜間外出への危機感の欠如は未成年だけに留まらない。例えば、夜遅くまでオフィスで働いて終電を逃したがタクシー代がもったいないので、普段あまり使わない道を歩いて自宅まで帰る……などという選択は、銃大国ではまずありえないはずだ。
一方で、不夜城とも称される時間帯問わずのオールマイティな電力消費と、まるで反比例するかのような再生可能エネルギーの普及不足に対し、国際的な非難の声は決して少なくない。純粋な生産性と使用電力をグラフでまとめた場合、東京都の効率は主要八ヶ国の首都の中で下から二番目に位置する事になる。
この国の首都は、夜を忘れている。
それが善き事なのか否かは、判断が難しい。