【Unknown_Storage】避難状況【file03】


 カテゴリA

 一五二名の正規職員の点呼完了。
 一時スタッフには別命を与えて屋内地上部分で待機。
 →重要書類やコンピュータの完全な破棄を確認。大使館地上部分は機能を失ってもよいものとする。

 カテゴリB

 三〇三名の点呼完了。
 当初のリストにあった六五%を回収、大使館地下への誘導は成功とみなす。
 ここでは経済的損失の低減よりも、外交窓口の継続を優先した。
 →経済産業省、金融庁よりクレームあり。対処D、独力での封殺ではなく財務省や外務省など他省庁を必ず巻き込む事。また必要であれば、各職員の醜聞を集めた個人情報ストレージよりレベル2までの交渉材料の使用を許可する。ただしストレージの存在そのものは気取られるな。

 カテゴリC

 他、同国滞在の日本人については連絡せず。国益において損失は許容できるため。我々『隊』の活動を一般に暴露する危険性を許してまで回収するほどの理由は用意できなかった。
 →一部隊員が地下にいても構造的に耐えられないなどの意見により離反。これについてはタブレット、外部パワード関節、ゴーグルなど電子装備のバッテリーを遠隔起爆して全て処分。遺体の確認と回収を望む。時間はないが、現場に隊員の肉体を残すのは致命的だ。我々は、存在してはならない『隊』である。

 間もなくアレが始まる。
 総員、覚悟を決めて備えよ。