【Pick up】今日のブログ、完成報告の記事【Net files】
じゃじゃーん!
前々から製作日記でお伝えしてきた『マクスウェル』がついに完成しました!!
個人の力で環境シミュレータなんて作れるものか、自分自身も不安や焦りがありましたが、何とか無事に形にできたようで何より。
『マクスウェル』のコアユニットは、先日発売されたばかりの3D携帯ゲーム機VS-lifeです。そう、初期ロットで早速感電事故が相次いで回収騒ぎになったあれ。販売網の関係で、中古ショップの在庫は『直接』メーカーに送り返す訳にもいきませんからね。こりゃ売り物にならないってんで二束三文で投げ売りされていたのを片っ端からかき集めて中身をバラし、演算部分をとことん並列化させたってのが主な概要。
でも実際面倒だったのは演算能力の確保よりも、冷却システムと電源確保(主に変電)だったかな。
『マクスウェル』本体はコンテナ一個分くらいだけど、この二つを満たすために別口でコンテナがもう一個必要になった訳だし。
でもやっぱり供饗市って特別なんだなーって思います。確かに組み立てたのはぼく一人の仕事だったけど、災害環境シミュレータに挑戦したぼくに協力してくれた人はたくさんいます。普通、大学や研究機関が並列マシンの管理フローをほいほい開示してくれるとは思えないし。防災・減災についてはやっぱり考え方が違うんだなって。まあ見返りとして、シミュレータのリザルトは各研究機関に提出するようにって事にもなりましたが!
『マクスウェル』は新型ハードの中身をざっと一四〇〇台分ほど繋げたものですが、これが結構きちんと動いてくれています。快調快調。台風とか山火事とかパラメータを設定すると、架空の街のどこに人が集まってどこで渋滞が起きるのか、とかをザザッと見せてくれて。ちなみにこのシミュレータ、『住人』のモデリングは必要としていません。建物、備品、資材やエネルギーの消費、それらのわずかな痕跡の集合から、こういう人物が動いていないと成立しない……と逆算して勝手に人物データを組み上げてしまうんですよね。すごい時代になったもんです。
次の課題はこの膨大な演算能力をどう活用するかかな。
具体的に言うとインターフェイス。
意識投入型のデバイスはいくつか市販品がありますけど、あっちと繋げる事ができれば、リアルな災害の中でどう立ち回れば逃げ切る事ができるのか。それを予行練習できそうな気がするんですよね……。