シャインポスト ねえ知ってた? 私を絶対アイドルにするための、ごく普通で当たり前な、とびっきりの魔法

『なんでだっけ?』

「漠然とした聞き方は困るって、いつも言ってるよね? ケイ」

『なんで、やめてるの?』

「色々」

『漠然とした答え方は困るって、いつも言ってるよね? ナオ』

「明確な答えはないんだ。……強いて言えば、やりすぎちゃったんだと思う」

『なにそれ?』

「みんな、ボロボロになっちゃったんだよ。だから、社長はみんなを守るために……」

『ナオをやめさせたわけ?』

「形式上は、自主退職ってことになってるよ」

『今すぐ戻って来て』

「……無理だよ。僕は、もうケイとは関係のない人間だ」

『関係ある。ナオは、私のお兄ちゃん』

「その言い方だと誤解を生みそうだから、せめておさなじみってことにしない?」

『どっちにしても、関係は残る』

「そうだね……」

『これから、どうするつもり?』

「再就職。幸いにも、拾ってくれるところがあってね。来月から、そこで働く予定」

『……どこ?』

ゆうさんのところ」

『私もそっちにいく。ナオがいないなら、ここにいる意味なんてない』

「輝いてるね」

『…………そういうところ、ほんっとに嫌い』

「ごめん」

『また、会えるよね?』

「…………」

『ぜっこー』

「……っ! 自分からかけてきて、容赦なく切らないでよ。……いや、今のは僕が悪いか」


「さてと、新しい門出……かな」