境界線上のホライゾン きみとあさまでGTAⅠ
第二章『浅間神社の三人娘』
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「――ねえ浅間、そっちの配線どう? 上手く全部突っ込まれてる? やあねえ、穴よ、穴! こう、こう絡める感じで、触手みたいにまとめて……! ああんっ、ケ、ケーブルが絡んで、や、やらし……、って、こっち! こっちに視線無いの浅間! ミトツダイラも! あら? 何二人とも、私今、ケーブルに絡まって床に転がってボンレスしてるんだけど、ボーンよ! ボーン! ハイボーン!! あら!? 何その蔑むような目! 放置!? 放置なのね!? それもまた素敵よ!」
初夏の高空の風の中、麻縄ケーブルを絡ませて床にくねっていると、巫女服姿の浅間が冷えた目を向けながら吐息をした。
場所は船の上。空の上だ。但し、
「喜美……、今は武蔵の上じゃない劇場艦の上なんだし、三年の先輩達も多くいるんですから、ハシャぐのは少し慎んで下さい」
言った浅間が、黒基調の巫女服を着てるこっちの横に膝を落とす。
「ほどきます? ケーブル。仕事用なんで切ったり出来ませんし」
「何言ってるの!? 私今全開で触手ごっこしてエロゲだったらどうなるか選択肢考えてるんだから邪魔しないで! それとも仲間になりたいの!? そうなのね!? 触手仲間は貴重だわ! でもよく考えたら私もアンタも触手じゃないから触手仲間って言い方は変ね! それに今、私と触手の間には誰かが入り込むような隙間が無いから駄目よ! どう!? 羨ましいでしょう……!?」
「誰か」
「あらヤダ、救けを呼んでも誰も来ないわよ!? 残念ね!」
「いやまあ、喜美の、その性格の部分だけは羨ましいと思います。ええ」
と、浅間が言うと、横に青基調の巫女服が並んだ。彼女はこちらに対して半目で身をかがめ、明らかに何かを言おうとして、しかし、
「……まあいいですわ、喜美ですもの、無駄ですもの」
「フフ、言ったわね! 屈服ね!? 私の軍門に下ると決めたなら毎晩浅間のところの御風呂でトリミングしてあげてもいいのよ!? 今触手中だけど!」
「何でこの人は自分に全く冷めませんの……」
「ホット! ホットなのよ!」
と声をあげるこちらにに視線を向けたまま、浅間がミトツダイラと一緒に身を起こす。
そして狼の方が、一息を吐いた。
「いいですの喜美? 今は安芸の厳島神社との合同雅楽祭の準備中。恒例ならば三年の先輩達が主となって祭の全記録を残すところですけど、今年はその任を外注された浅間神社が、それらの記録役や舞台整調役として出ていますのよ? 前例のない仕事ですし、三年がメインの処に二年の私達が出ているという、……そんな現場なんですから、少しは慎みを持ったらどうですの?」
ミトツダイラが、そう言って一息を挟んだ。
「――さりげなく説明してみましたの」
「ミト! ミト! まだ回想を切ってないです!」
〇
「雅楽祭は安芸との合同ですの? でも、そのための準備として行う”劇場艦の流体調整”って、何をしますの?」
ネイメアの言葉に、己は頷いた。劇場艦の構造図を表示枠に出して、
「はい。雅楽祭で使う劇場艦。武蔵からは”谷川城”、安芸からは”能舞台”を空中に並べて雅楽祭を行う予定でした」
ですが、
「――いろいろ催し物や祭など行う際、祭好きの神々が集まれるよう、艦内に流体の抽出格納器があるんですね。
祭の際は、祭を楽しむ人々の信仰が抽出格納器に集まって、そこに呼ばれた神様はテンションをアゲます。そしてお返しに、神様は加護や権能を発揮して祭を盛り上げる訳です」
「奏者の信仰と神の盛り上げが循環する訳ですのね」
「はい。しかし抽出格納器はその性質上、普段から流体や地脈の淀みを集めやすいんです。だから祭の前には、それを確認の上で禊祓しておくんです」
「神の一時宿る場所。その掃除よの。あまり淀みがたまると祟り神や禍津神と化すので、そうなる前に禊祓、というところかえ?」
ええ、と己は頷いた。
「ここから先は、舞台下の調整器を開放して、それにセットされた抽出格納器をミトが引き出す、と、そんな流れになります」
「ただまあ……、武蔵の艦外空域に出た劇場艦での作業ですものね。
ステルス防護障壁の外となれば、本土側の方で目に入ってくるものもありますわ。まずはそのあたり、事前の情報として確認ですわね」
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今のは無し、と狼が左右に両手を立てて、巫女が俯き加減に記録を修正する向こう。
劇場艦と呼ばれる船の上では、夏服姿の三年生達や軽武神などが雅楽祭の準備をしていた。
皆は各所の床をめくったり、調整器を床から柱のように突き出させて調整をしている。
……いつも通りの雅楽祭の準備風景ねえ。
ときたま、調律や試験として増幅された楽器の音が聞こえるが、響きは空に消えていく。
浅間が、吹く風に髪をなびかせ、
「まだ、艦上の音響制御術式を起動してませんから、音がデッドになっちゃいますね。
劇場艦だから、本式起動したらそこらのホール以上のものになりますけど」
浅間とミトツダイラが見渡すのは、空に浮かぶ木床の広場だ。
前後に長い甲板は、観劇や雅楽発表のための劇場艦の特徴だ。
外交にも使われる艦上面は、艦首側の舞台と、その前にある広場、そして中央付近から艦尾に向けては前後幅のある雛壇客席で出来ている。
「……他に何か特徴あったっかしら?」
「ええと更にはですね」
「一体何をメタな話してますの?」
「いや、ええと、あっちです! 外!」
空から見える、艦外の風景、印象的なのは本土側だ。
極東、瀬戸内海西側の俯瞰と、西の空に浮かぶ巨大な浮上の陸地の姿がある。
地殻を掘り出すようにして浮かべた浮上都市。
その東側、人工の海上に立つ巨大な鳥居は、しかしその社殿や森の向こうに、石造りの町並みと、欧州の聖堂を持っている。
その光景を見て、己は自分達が今、何処にいるかを言う。
「――K.P.A.Italia の本拠、安芸まで、今年もやってきましたね」
〇
「安芸ですかよう!」
「知ってるんですか?」
「Jud.、左近はとてもよく死にましたの」
「えっ? えっ?」
「オイオイオイオイ、ネイ子、常識ズレてんだからさあ……」
●
……厳島、でっかいですねえ!
安芸。
浮上都市であり、K.P.A.Italia の本拠でもある厳島を、浅間は視界に置いた。
今、自分達の艦があるのは、安芸の東沖、三キロの空だ。
初夏の昼過ぎ。安芸は直上からの陽光に照らされて全体が確認出来る。南北に長い島。海に囲まれた森の土地は多重に並ぶ小鳥居の通路に囲まれている。そして東縁、朝日を得る方にある大鳥居と社殿を見れば、
「……大きいですね」
アデーレはさっきからこっち振り向かなくていいです。
「いや余計なツッコミしなくていいですよ!」
「というか、この時点でいましたの?」
「設営の手伝いに来てたんでしたっけ?」
Jud.、とアデーレが頷く。
「移動雛壇とかの整備で来てますね。それで皆さんが入ってきて挨拶行こうとしたら、喜美さんが奇行を開始したので巻き込まれないように距離をとってました」
「――アデーレから見て、安芸はどんな感じでしたの?」
そうですねえ、とアデーレが雛壇の上から西の空を見る。
安芸。浮上島。
それを確認して、そこから彼女はこちらの胸を見て、
「デカいですね……」
何処見て言ってんですか。
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ともあれ、と己は言った。
安芸、厳島神社は、やはりK.P.A.Italia の庇護下にあるからだろう。設備は最新のもので整っている。横に立つミトツダイラも同じ方を眺め、
「聖譜を教本とするTsirhc教譜にとっての総本山、聖連にとって、実質の首長国のようなものですわ。貿易艦の数も莫大で、……見せつけられますわね」
「うちの神社もあのくらい構えられたらもっといろいろ出来るんですけどねー……」
「ククク、地下設備と販売系が充実してるアングラ神社の巫女が何か言ってるわね! アンタのところはそのまま発展して欲しいわ。創作術式や神具系化粧品とか好き勝手出来るし」
「あれ結構違法スレスレなんで、そこらへん基本にされましても……」
と、言っていると、頭上を影が通った。貿易用の輸送艦だ。
安芸に向かって、小西家の紋章をつけた船団が行く。
どの艦も、艦尾や側面に表示枠を展開し、小西ブランドの宣伝を行っているのが逞しい。
それだけではない。見れば、今も、自分達のいる艦の下や遠くの空を、武蔵と安芸の貿易船が行き来している。武蔵から大型の輸送艦を出し、それをハブ艦として、四国側や瀬戸内海の他沿岸まで取引する動きもある。
周囲の三年生達が、ふと、安芸の方を見て呟く。
「今年の夏も、こりゃ暑い上に忙しそうだ」
「私、産業委員で氷室管理の方だから、逆に冷えまくってキツいのよねー……」
「まあ、そう言った事を学生としてやるのも、俺達は今年が最後だ」
はは、と笑う皆が、ふと、揃えたように東を見る。そして紡がれる言葉は、
「来年も武蔵はここに来るのかなあ」
安芸とは逆側、東の空。
そこには、ステルス空間内に入っていて不確かだが、武蔵が存在している。
三年生と視線を重ねるようにして、見えぬ武蔵に注意を払えば、左目の義眼”木葉”が、空にある巨大な流体反応の存在と、それが武蔵である事を教えてくれる。
巨大艦と、浮上島。
武蔵と厳島に挟まれる自分達は、一応、外交の扱いだ。だが、
「鳥居家供出による、この全長三百メートルの劇場艦”谷川城”も、小さなもの扱いとなってしまって、残念ですわね」
と、ミトツダイラが言うと同時。西側の空で声が生まれた。
こちらと同様に、安芸側からも一艦、劇場艦が浮上しているのだ。
谷川城とはやや形が違う。
板十字組の装甲板を持っているのは、呉造神船企業座がK.P.A.Italia経由で厳島に渡した”能舞台”だ。
向こうの艦の上では、安芸居留地の極東学生が、やはり自分達と同じような作業を各所で行っていた。
お互い、おおい、とまだ届かぬ声と手を振る者もいれば、準備を続ける者もいる。
……安芸の居留地は、活気がありますね。
「私達も、しっかりしないと。……先輩達を支える役ですから」
と、己は、表示枠の操作で舞台床面の展開を指示した。
「では、準備起動用の配線も出来ましたし、こちらはこちらで仕事を始めましょうか」
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……さて、仕事です!
調整器と抽出器を用いて、流体の淀みを抽出。禊祓する。
己は、舞台前の広場にて、表示枠を手元に幾つか置く。その内の一つは、
「ハナミ、手伝って」
『出るよ――』
走狗のハナミが、手を打ち、表示枠から転がり出て来た。
同時に、己の眼前の床が動いた。
舞台となっている場所、壇となる部分が中央から自動で開かれて行き、下にあるものを露わにしていくのだ。
お、と声をあげるのは、舞台上、自分達以外にいる三年生の雅楽祭関係者だ。
彼らの注目を浴びるが、気にしない。視線を集める事は、神事でいつも人前に出る巫女ならば慣れている。
「設営荷物を届けに来たことにして言うけど、そうね……、衆目慣れてるから実況露出とか全然有りだったわね……」
「同じく荷物の配送で来たことにして言うけど、1501回の時、いきなり何だと思ったよね……」
「まだ起きてないことをネタにしない!」
「修正バンバン出ますわねえ」
「そのツッコミも修正案件な気が……。あ、いや、これもですが」
ともあれ今、ただ思うのは、やはり、楽器を操作したり、音響系の術式について話し合っている彼らの光景だ。
いいなあ、と、そんな事を思ってしまうのとは別で、
……あっ、その術式、もう一つ軽いのを挟んだ方がいい音になりますよ……!
専門家として、ふと、口を出しそうになって困る。そんな自分を落ち着けるためにも、
「ふう……」
と息を整えている間に、自動展開していた舞台の動きが止まった。
今、自分達の目の前にあるのは、
……艦首側の舞台基部、流体調整器ですね。
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舞台の床が、広い面積に渡って、十数枚収納されていた。そして露わになったのは、幅十五メートル、長さ三十メートルの紺色をしたブロックだ。
流体調整器”神鳴御屋地”。
その名を中央部に彫り込まれた楔型の先端構造は、IZUMO系列製品の特徴だ。今より、これの操作を行い、周囲空間の地脈を整調する。
「さて……」
床をめくったため、周囲より一段落ちた調整器の上に、浅間はミトツダイラと共に乗った。
他、同じように舞台の準備をしている三年生は、こちらを気にしたように遠巻きに見ていたり、ちらちらと振り向くだけで、踏み込んでは来ない。
そんな彼らを見て、背後の床に転がっていた喜美が動いた。フフ、と小さく笑った彼女は、麻縄ケーブルを絡ませた黒基調の巫女服をくねらせ、身を起こす。
「皆、やっぱり神事と言う事は解ってるみたいね。――浅間、アンタの場所だという事よ? この舞台は」
言われた言葉、”自分の場所”という意味に、どきりとした。
バンドとかやらないの、と、声を掛けて来た彼の姉が、喜美だ。
彼女はそういう場所を、既に持っている。
ひょっとして彼から、そんな話を聞いているのだろうか。だが、
……落ち着きましょう、私。
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「ア――! 自意識過剰――!」
「ククク、アンタ人目を気にしないとか言っていて、自分にとってはダメダメねえ」
「いいから落ち着くべきですのよ?」
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「ハイ落ち着きました!」
考えすぎだ。
喜美はいつでもオンステージ状態なのだ。他人を語る時もそうであるに過ぎない。
だから己は内心で一息ついて、諭すように言葉を作る。
「いいですか喜美。舞台は出場される雅楽団のものですよ? 私は単に周囲の地脈や、流体の流れの制御と整調を行うだけです。こういうのは神社の仕事ですから」
それに、と浅間は言う。
「この艦は生徒会の所有物ですからね。学生の場所だと、そうも思います」
「真面目ねえ。損するわよ」
「な、何がですか?」
バレてるのか、とも思うが、喜美は目を細めて笑うだけだ。
そして彼女は立ち上がる。
「ホント、からかい甲斐があるわね」
言って身を一度捻る喜美の身体。その身に絡みついていたように見える麻縄ケーブルはあっさりと下に落ちた。
調整器に降りた自分達に対し、一段高い位置から喜美がこちらに視線を傾けてくる。
さて、と彼女は前置きし、
「私の出番は何時なの浅間。間が空くなら、それまでウズィに安芸見せてていい?」
「あー、喜美は中央でセッティングを。ミト、ちょっと御願いします。――ウズィに社会科見学させるなら、先にこっちで仕事して御褒美あげながらがいいと思いますし」
Jud.、とミトツダイラが頷いた。彼女はまず、調整器の先端にヒールを鳴らしながら走っていき、
「ええと、ここのものから、でいいんですのね?」
足を止めつつの問いかけに、己は首を下に振る。表示枠で展開操作を行い、
「はい。先端の格納器を上げて、それから四隅のを、そっちから対角線で御願いします。――ああ、そっちって、左、――ミトから見て右です」
え? え? とあたふたするミトツダイラに謝っていると、幾つかの大きな影が来た。
学生の操る作業用軽武神だ。
三機ほどがこちらに近づいてくる。
と、こちらの顔横に、機関部からの通神文がノイズ付きで来た。
直政だった。
『そっちにいる武神で、抽出格納器の射出を手伝うさね? 仕事としては別件になるから、アサマチの許可次第で上に通すけどさ』
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ヘルプしようかという気遣いだ。
だが今は、必要ない。何故かと言えば、
『あ、どうも。だけど力仕事はミトがいるから大丈夫だと思います。ちゃんと禊祓装備で扱いますし。ともあれマサ、気遣いどうも有り難う』
『ああ、気にしなくていいさ。あたし達も生徒会や総長連合には世話になってる。
春期学園祭に連なる雅楽祭は、生徒会の最初の大仕事だしな。
――あたし達の分も助けてやるといいさ』
文章だが、直政の微笑が聞こえたような気がした。そして軽武神達が片手をこちらに挨拶として挙げ、また元の業務に戻っていく。
……任されたというか、任して貰ったというか。
しっかりしないと、と自分は息を入れ直し、一度柏手を打つ。
そして己はミトツダイラや、調整器に下りて来た喜美と強めの視線を交わして、声を作る。
「じゃあ、神鳴る場の地脈を、浅間神社の巫女、――二年、浅間・智、葵・喜美、ネイト・ミトツダイラが整調します」
〇
「ファー……、かなり”引っ張った”と思いますね。流石に疲れました」
という浅間の横、ミトツダイラは軽く右の手を上げる。
「ではここからは、私が過去の分を担当しますわね」
言うと、低い位置から鳴き声がした。小さいながらに獣の咆哮となっているのは、
「……!」
自分の走狗であるトロ子だ。この子も何となく解っているのだろう、
「ええ。トロ子も、そろそろ出番ですものね」
ゆえに己は表示枠を開いた。浅間が鈴と共にキッチンの方へと行くのを見送ってから、
「では二番手、という訳ではありませんけど、……私の仕事の方、回想始めますわね」
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この調整器の上でやることは一つだ。
「抽出格納器を五本、全て引き出して確認。そして禊祓ですわね」
祭の舞台となる劇場艦を、そのようにして禊祓、調整する。
ゆえにまず、調整器の上で、ミトツダイラは右腰のハードポイントパーツに提げていたグラブを手に取った。
右手に装着。
グラブは符を織り込んだもので、流体への干渉力を下げる能力を持つ。
今、グラブの手の甲にある累積使用量の書式メーターは、空白のままだ。
未使用である。
だが、
……私との相性、少々悪いんですのよね、コレ。
半人狼。
人狼が精霊に近い存在である以上、流体非干渉能力のアーティファクトは自分と相容れない。
右手にグラブをはめ、止め紐を引いただけで、描かれた升目が、自分に反応してゆっくりと左から右に黒く埋まっていくのが見える。
だから、
「智ー、早めに御願いしますのー」
言うと、浅間が操作していた表示枠を指先で下にトスした。それが調整器の上面に沈むと同時、彼女が柏手を一度打つ。すると、
「あ」
調整器の上面縁とモールドラインが青白い光脈を得た。光は波のように強弱をつけて浅間からこちらに届き、足下に至り、
「きゃ」
踏んでいた場所。慌てて脚を開いた下。調整器先端側の上面防護隔壁が開く。
五十センチ四方の展開の下には、鳥居型のハンドルと、下に刺さった円柱シリンダーの上面が見えた。
この円柱シリンダーが地脈の抽出格納器。
つまりは”神の宿る器”だ。