境界線上のホライゾン きみとあさまでGTA Ⅳ
序章『勉強部屋の雛つ女達』
●
んー、という伸びた声が、明かりの灯った部屋に響いた。
夜。
木造の六畳ほどの部屋だ。浅間神社にある母屋の中で、

「浅間の部屋は、床が広くていいわねー。泊まり込んで慣れるの怖いわー」

「喜美、そう言って寝転がらないで」
浴衣姿のまま、伸びをして畳に倒れた喜美へと、浅間は言う。

「──ほら、ミトも頑張ってますから。テストは明日の古文と保健体育で終了なんですし、ラストスパートですよ」
●
ええ、とミトツダイラは頷いた。

「そうですわよ?
今日までと違って、たった二教科ですもの。
最後の踏ん張り処ですわよね?
明後日からは春期学園祭で、その三日後には後夜祭から雅楽祭。
赤点とったら雅楽祭に出られませんし、明日はしっかりシメませんと」
こちらの言葉と共に、浅間が頷いた。

……ここが正念場ですからね。

……そこで寝てる馬鹿に赤点取らせたら全て終わりですものね。
うむ、と頷き合って、全ての傾向と対策は喜美の対処だと理解する。
○

「失敬! 前回の、ケッコー楽しいスクールライフ的な終わり方から、どんな風になったのでしょうか」

「ええと、ナイトとナルゼが”海兵”との戦闘を終えたのが二日前ですね」

「かなりスッ飛ばしたわねえ」

「テスト期間中ですからねー……」

「アー、何かビミョーにテストのこととか思い出してきた」

「ともあれ先に進みません?」
●
浅間は思う。
現状、春期学園祭と雅楽祭の準備は進み、同時進行しているテストも明日が最終日なんですよね、と。

「だからほら、最後は油断無く終えて雅楽祭行きましょうよ」
と、喜美を揺り起こそうと手を伸ばした。
すると同時に喜美が身を捻った。
こちらの左手の五指が、喜美の右胸に食い込む。
●
ぬ、と己は思った。そして、

……指の間から溢れましたよ?
と、そんな事を反射的に続けて感じた瞬間。

「あっ、駄目よ浅間! もっと胸大きくしたいからって、私から手の平パワーで吸引する気ね!? 私も負けてないわ! オラッ、寄越しなさい! オッパイ! オッパイ頂戴!」

「言ってる意味が解りませんけど」
手を離すと、喜美はまたぐったりした。
オンオフが激しすぎる。
だが、オフになった後の喜美の反応がない。

……全く。
自分は、喜美を左に挟んで卓袱台の向こうにいるミトに、アイコンタクトを送った。

……ちょっとタイム。
すると向こうも頷き、傍らの籠から自分用のナイフとフォークを取り出した。

「──いいですわよ、智。夜食ですのね?」

「あれ……? 何だかちょっと違いますよ……?」

「──ああん、もう、私のお肉が夜食になっちゃうのねー!」
オンになったらしい。
だが、無視していると、緩く喜美がオフになっていく。
●

「……テンションだけで生きてますわね……」
しみじみというミトツダイラに、己は頷いた。
左を見る。
すると、オフ状態の喜美が完全に仰向けでぐったりしている。
軽くはだけた浴衣や、ほつれた髪を見ていると、

……これで性格がアレでなければ、美人の類いで済むんですけどねえ……。
中身がアレなので、危険人物の類いにしかならん。
人間、中身が大事だと、友人を見て自分はつくづくそう思う。

「もう……」
吐息混じりで、己は卓袱台の上から間食用の籠を手に取った。

「ほらほら喜美ー。
喜美の好きな林檎の寒天ですよー」
籠に入っているのは、糖衣で固めた摺り下ろしの林檎寒天だ。
一口サイズのそれが浅く盛られているのを、己は喜美の頭上で泳がせ、

「こっち、こっちですよー」
我ながら凄い誘導方法だ。
だが、

……これ、ここ数日で結構使ったから、今日は無理でしょうねえ。
懸念は当たった。
喜美が両の手を上に伸ばし、籠を取ろうとするが、

「────」
ややあってから、彼女は両腕を身体の横に開いた。
曲げた両肘。口元に左右の手を当て。

「く・ち・う・つ・しっ」
●
ミトツダイラは、半目で籠から林檎寒天を一個取った。

「喜美」
言って、即座に手の寒天を指で弾く。
直後に喜美が、飛んで行ったそれに対し、まずは首でキャッチ補正。
そしてすぐに唇で受けた。

「妙な芸当を……」

「愚弟とやってるもの。
愚弟は厨房、私はダイニング、軽く出来たの試食するとき、今みたいにして遊ぶ感じね。
逆もやるわよ。──ほら」
喜美が、今度は浅間の籠から一個取ってこちらに高く放る。
対する己は、いきなりのことに対して、

「え? あ、ちょっと」
口を開いて受けようとして、額で跳ね、

『──!』
ケルベロスの内、右のものが頭でトラップして、左のものが返して真ん中の頭に乗せる。
だが、流体系生物であり、走狗に近いケルベロスは、それを食べることはしない。
食べたところで消化出来ないからだ。
故に三つ首狼はこちらの前髪を軽く叩き、

「よくやりましたわね」
自分はケルベロスを手に取り、確保物を受け取る。
●
そしてミトツダイラは、畳に置いていた腰のハードポイントより、彼ら向けの餌を与える。それは、流体で出来た小さな骨を模したもので。

「一気に三本消費になるのが、ペットとしては贅沢ですよねー……」

「ま、このくらいでしたら、何とかなりますわ」
成程、と言う浅間と共に、自分は喜美に振り向いた。
寝ていた。しかも熟睡だ。

「は、早っ! というか喜美! 喜美! まだ八時ですよ!」
就眠中の馬鹿姉は、先ほどまで口に当てていた両手を胸に力なく下ろしている。が、その手が淡く動き、袷を開いた胸をぺたぺたと叩いて見せる。
顔は、寝ているのに目を閉じた全開笑顔。
それを見る自分は、手にしたケルベロスに餌を与えながら、こう言った。

「カマーン、って感じですわね」

「……一体何を?」

「解りませんけど、喜美、抱き癖ありますので、触れない方がいいですわ」
ですよね、と頷きつつ、浅間が試しで喜美の胸の間にコークスペンを消すための圧縮パンを置いてみる。
と、それは彼女の呼吸に合わせて上下する胸を転び、袷から胸下に入った。
ん、と寝息をついた喜美が、身をよじりながら、

「──あっ、やん、だ、駄目よ、そんな風に触手ごっこしたら」

「……どんな遊びですの」

「……大体、腕二本だけじゃ駄目でしょう」
●

「智?」

「い、いえ、詳しいわけじゃないですよ!? ナルゼがたまに、ほら、語ってるじゃないですか! ええ、うちも取り締まりで本回収したりしますけど、ええ!」

「ほほう?」

「いや、まあ、ほら、喜美ったら、寝言で変な事を言って! 大体触手ごっこなんて、夢の中で誰とやってるんでしょうね?」
誰にともなく問い掛けた浅間が、表情と動きを止めた。

「……誰と?」
大体答えは決まっている。
ならばすべきは一つだ。

「……起こしますわよ?」

「どうぞどうぞ!!」
その促しに頷いて、己は卓袱台の下に両手を突っ込む。
喜美の足を引っ張って、驚かせようというのだ。
●
己は、喜美の足を掴んで引いた。

「……っ」
流石に全力引きはしない。

……変な夢見てることへの諫めですしね。
夢に対して怒ったところでどうしようもない。
基本、制御効かないものなのだから。
ゆえに自分は、軽く掴んで引っ張った。

「こら、喜美」
と、寝ている彼女の位置を正すように引いた。
その筈だった。
だが、

……え?
喜美の、誰にも掴まれていない素足が、そこにある。
●

「ンンン?」
おかしい。
自分の手は、握りの形になっているものの、彼女の足をホールドしていない。

……目測を誤った!?

「どうしたんですかミト。まさか肉分が切れて動けなくなったとか」

「な、何か凄い勢いでキャラ決められてますのよ!?」
だが、何かをミスしたのは確かだ。
己は息を吸い、両手を構えた。そして、

「行きますわ……!」

「どうぞどうぞ!」
●
行った。
掴んだ。
握った。
そこまではちゃんと確認した。
だが、

「──ズレましたわ」
己はそう知覚した。
何か解らないが、滑った、とでも言うべきだろうか。
弾かれたというような、そんな感も確かにある。だが、明確に言えるのは、

……触れられませんの!?
はっとして上げた視線。
こちらを疑問の表情で伺う浅間の向こう、伏している喜美の頭上に、仮名を掲げた一枚の表示枠がある。
術式だ。
●
見知らぬ術式。それを確認した自分は声をあげた。

「ちょ、ちょっと智!」

「え?」
こちらの視線を追って、浅間が喜美に振り向く瞬間。
その術式表示枠が消えた。
浅間は、ただ寝ながら身をよじっている喜美を見て、

「どうしたんですか? ミト」

「い、いえ、あの、術式が──」
言っているより先に、足を掴むべきだ。
だが、こちらが喜美の足に急いで手を伸ばし、応じるように浅間が振り向いた瞬間。
再び、先ほどの術式表示枠が喜美の頭上に出た。そして、

「────」
掴めなかった。
今のは、急ぎと言う事もあって、かなり力を入れたつもりなのに、だ。

……回避系の術式ですの?
いつの間に、と自分は思った。
普段から”転機編”から始まる補助系の術式を有してはいるが、ここまで明確な回避代行術式は始めて見る。しかし、

「智、あの、喜美の頭の上の──」

「え?」
浅間が振り向くより早く、術式表示枠がまた消えた。
●
浅間が、しばらく喜美の寝顔を見てから、こちらに振り返る。
眉尻を下げた笑みで、

「どうしたんですかミト」

……あ、今、明らかに可哀想な子扱いですのね私……。
埒が開かないのはよく解った。
だから己は、喜美を起こす手順として、最も確かなものを使うことに決めた。
居住まいを正し、背筋を伸ばし、ふ、と入り口の方を向いて、

「あら、我が王」

「──愚弟?」
喜美が、ねぼけ状態で、しかしあっさりと身体を起こした。

「ハイ! 智! 確保!」
●
何が何やら、と思いつつ、浅間は喜美を起こし、茶を淹れる。

「ほら喜美、最後だからって気を抜かないで。
明日の放課後からは遊べるじゃありませんか」

「気を抜いてるわけじゃないわよ。
明日は古文に保健体育って、得意授業だし」
でも、とミトツダイラが、卓袱台に置かれた籠からウエハース風のものを取って言う。

「得意だからって気を抜いてると、足下すくわれますわよ。──あ、これ、皆用に買ってきたものですから好きにとっていいですのよ?」

「……何です? これ」
○

「ビスコッティ!」

「隠語ですね!」

「何故、堂々と言えるのですか……」

「ビスコッティ。
──ウエハースの原型ですわね。
小麦粉と卵、砂糖を混ぜてパン状に焼き、一度薄く切ってからもう一度焼いたものですの」

「ちょっと話に出ることが予想されたので、さっきの休憩時間にミトと一緒に仕込んでおきました!」

「あっ、コレ! あっ、ええと、い、いいですよね!」

「落ち着け」

「ふむ……。パンと違って深く練らず、発酵もせぬから、粉モノとして口の中で溶けるのう……」

「御母様の手作りは……、凄く久し振りですの」

「いい御菓子ですね!!」

「お前……、お前……」
●

……こう言っては何ですけど、微妙に意外ですね。
ミトツダイラの手による料理となると、菓子よりも肉料理やスープ系が思い浮かぶ。
彼女に食事に呼ばれるときは外食が主であり、それ以外となると、自然区画での露天料理などになってしまうからだろう。
こういう、連続で泊まり込むことが続いたからこその、彼女の”菓子”だ。

「食べませんの?」
何処となく窺うような口調を感じ、己は頷いた。
いただきます、と断った上で、袖をまくって手を伸ばす。
●
指先ほどの幅の、薄い茶色い板。
確かに平べったく、中まで茶色いパンの断面だ。

……見たこと、あるような気が。
口にする。と、

「ん」
硬いと思ったのが最初の感想。
焼いたパン。
それも仏蘭西系のバゲットなどが持つ、外側部分の食感に近い。
そしてそれが、表面側だけではなく、断面にも続く。
これは飲めないし、舌では潰せない。
思わず噛んだ音は、間違いなく破砕音だ。それも、粘りがあるような煎餅ではなく、

……砂糖?
固めた砂糖、それも黒糖を噛み潰すとこれに似てると、そう思った瞬間。

「…………」
口の中で、焼いた甘さが広がった。
●
歯で潰した粉様のもの。
小麦粉に砂糖を染みこませたものが、口の中で溶けたのだ。
苦みにも似た甘さが、小麦粉の焼いた香ばしさと共に舌を舐める。

……あ、いけない。
口の中に放置しておくと、硬いものが唾液を吸って、柔らかくなる。
だから自分は指でつまんでいる部分を口に押しながら、

「ん」
歯で噛み、舌で口の中全体にそれを緩めた。
舌房の裏側にまで、粘るような、わずかにざらついた焼き目の香りが来て、染みるように甘い。
洋菓子独特の絡みつくような甘さだ。
鼻に抜けるのは、黒糖の濃い苦みの匂いと、微かな焦げ跡。
後は、唾液で緩く捏ねられた甘みの粉を、舌で頬奥から喉に運ぶ。
硬かったものはもう無い。
歯裏や上に、粘質な苦甘さが残っているが、それも舌で舐め抜いて、

「……ん」
飲んだ。
○

「隠文ね」

「隠文ですね」

「ノーコメントとします……」

「あれあれ? 何か想定と評価が違うんですけど!?」
●
後に軽く御茶を飲み、一息入れ、浅間はミトツダイラに応じた。

「随分、美味しいですね。以前に食べたことあると、そう言いましたけど、多分、味わいが違うと思いますよ?」
言った先、ミトツダイラがこちらの口元を見ていた。
だが、己の口を横に結んでいる彼女の反応が、どんなものかこちらには解らず、

「どうしました?」

「フフ、アンタの食べ方が良すぎるのよ。ねえミトツダイラ」

「え? あ、いや、あの」
ミトツダイラが、我に返ったように両手を左右に振る。

「御粗末様ですわ」

「いやいや、まだ御馳走様って言いませんよ?」
次を手に取る。そしてふと思ったのは、

……確実にコレ、太るタイプの御菓子ですよね……!
あ、でも、バターが入ってないなら大丈夫でしょうか。
いや、よく考えたら炭水化物の純塊って気もしますし、ええと、

「──いただき」
喜美が躊躇いなく手に取るのが羨ましい。
が、彼女はこちらを見て言った。

「あのね浅間もミトツダイラも、今、何の勉強してるの?」

「古文ですわ? 範囲広いのと、私、少々苦手ですので」
こちらも同じなので頷く。すると喜美が、

「──保健体育の方、合体ネタが出るって話よ」
●
ミトツダイラは、浅間が動きを止めたのを見た。
ビスコッティが太るからではない。
というか、自分も動きを止めている。
そしてただ一人、無敵状態で動いていられる喜美が、

「大丈夫よ、実技はないから」

「あ、当たり前ですよ!」

「フフ、何をビビってんの。ただ、ちょっと事前確認よ──!」
喜美が、浅間を指さしてこう言った。

「明日のテストのために、裸見せる用意なさい!」
●
浅間は、言葉を失った。

……え!?
喜美が突然な人間なのはよく解っている。
だが、いきなり保健体育のために、

……は、裸!?
ここで!?
と思うが、馬鹿女は意味も無く頷いているだけだ。
というか寧ろ意味があったら怖い。
だが、念のために己は問うてみた。

「じ、じっくりですか?」

「手で触れたりもするわねえ」

「ど、どこまでですか?」

「そりゃ裸の付き合いだし、一緒にね」
自分は浴衣の袷を直した。
ええと、と前置きして、正座して、

「み、見せたら、テスト勉強、ちゃんとやりますか?」

「そりゃ、やらざるを得ないわよね」
喜美が、確かに頷いた。

「そこまでしたら。うん、寝るまでしっかりするわよ」
成程、と己は思った。
すると、横のミトツダイラが、声を作る。

「──智! 智! 喜美のテスト勉強のために身体を捧げるつもりですの!?
喜美もまたいきなり……」

「い、いや、ええと」
自分は、ミトツダイラを制した。
今の状況、自分でもよく展開が解っていないが、一つ、言えることはある。

「そ、そりゃ、他の人にはそんなことしませんよ? ええ」
でも、と己はちょっと迷う。

……長い付き合いですしねえ。
喜美や、彼や、ミトツダイラあたりとなると、別だ。
●

「あのですね」
しょうがない人、と、そんな言葉を思いながら自分は言った。

「……神道って、最後の頼り場でもあるわけです。
それで私はトーリ君と喜美を担当してるって言うのもありますけど、この二人はさすがに私がどーにかしないと、と。
大体、いろんな人に迷惑掛けたりしてますし」

「言われて見るとそうですわねえ……」
しみじみ言われると、もの凄い負担を抱えている気になる。
だが、一つだけ確かなことがあるのだ。

「トーリ君や喜美や、ミトだったら、こう、変な要求も、ちゃんと意味があるんだろう、って信じられますから。
理由言わなくても、私に頼んできたら、絶対に悪い事じゃないって」
それに、と己は昔の事を思い出した。
昨日の、アイスの話だ。
●
あのとき彼は、自分で責任を取ろうとして、

……そうですね。
他人への責任を、必ず忘れない。
だから、

「もし、何か頼んできたら、……その後もちゃんとしてくれるでしょうから。
ですよね? 喜美」
喜美を見ると、彼女は目を細めてこちらを見ている。
微妙な不安を感じた。

……あれ?
何か勘違いした事を言っただろうか。

「え、えーと」
妙な汗が背や首あたりに湧くのを感じながら、己は喜美に問い掛ける。一応の確認、というつもりで、

「い、意味、あるんですよね? 今、ここで脱げってのは」
問うた先、喜美が首を傾げた。彼女は邪気のない笑顔で、

「──あら? 私、気合い入れるために禊祓の泉に行こうって言ってるんだけど。
洗いっこしてテンション上げたら、寝るまで勉強せざるを得ないでしょ?」
張り手を叩き込んだ。
○

「張り手、当たるので御座るか!」

「私もちょっと驚愕しました……」

「神道の階位のようなものが?」

「あ、いや、単に付き合いです」

「ヘイヘイうちの母さんの関係性の深さってヤツですよ!」

「豊が威張る処ではありませんのよ?」

「ともあれママ達は勉強タイム? 他はどう動いてんの?」

「そのあたり、ちょっと総長連合から当時の記録を参考資料として頂いて来ましたわ」

「点蔵様の管轄ですね」

『公私混同な気もするけど、資料としての記録作成やから、まあええか……』

「では、当時の総長連合の面々から、次はスタートでありますね」