第四章 退魔師は終わりを選ぶ (N)Ever_Say_Good_bye. ⑦
光の羽。
インデックスの『光の柱』が壁や天井を破壊した後に生まれた、何十枚もの光り輝く羽。まるで粉雪のようにゆっくりと舞い降りてきたそれが、今まさに上条の頭上へ降りかかろうとしていた。
魔術を知らない上条でも何となく分かる。それが、たった一枚でも触れてしまえば大変な事になる事ぐらい。
そして、何十枚もの羽は、やはり上条の右手を使えば簡単に打ち消す事ができる事も。
だが、
「───警告、第二二章第一節。炎の魔術の術式を逆算に成功しました。曲解した十字教の
『光の柱』の色が純白から血のように赤い真紅へと変化していく。
何十枚もの光の羽を一枚一枚右手で撃ち落としていたら、おそらく時間がかかりすぎる。インデックスに体勢を立て直される恐れもあるし、何より魔女狩りの王がそれまで
頭上には何十枚と舞う光の羽、
足元にはたった一つの
どちらかを救えば、どちらかが倒れるという、たったそれだけのお話。
もちろん、答えなんて決まっていた。
この戦いの中、
ただ、たった一人の女の子を助けるために、魔術師と戦っていたんだから。
(この
上条は握った
まるで
(─────まずは、その幻想をぶち殺す!!)
そして、
そこにある黒い
上条の右手が、それらをあっさりと引き裂いた。
本当、今まで何でこんなものに苦しめられていたのか笑いたくなるほどに。
あっさりと、水に
「────警、こく。最終……章。第、
ブツン、とインデックスの口から
光の柱も消え、魔法陣もなくなり、部屋中に走った亀裂が消しゴムで消すように消えていき、
その時、上条
上条はその瞬間、
それがステイルか、
上条は
まるで降り注ぐ光の羽から彼女の体を
粉雪が降り積もるように、何十枚という光の羽が上条の全身へと舞い降りた。
上条当麻は、それでも笑っていた。
笑いながら、その指先は二度と動かなかった。
この夜。
上条当麻は『死んだ』。