第二章 そもそもの疑問 7
女王的には細い手首にまで太いので巻きつかれたから相当心配だったが、リモコンを使って周辺の能力者に命令を出す。胴体に巻きついてほっぺたにべちべち当たってくる甘えん坊なにゅるにゅるタコさんファイブオーバーOSの触腕をどうにかしてみんなで引き剥がし、一人物陰に隠れながら、食蜂操祈はうんざりした調子で重たい息を吐いた。
見た事ない電気コードだらけのベストが見えた。
医療機器の代わりか。
「ええっ? なぁにい
機械を使って洗脳と非洗脳を仕分けされてしまう時点で食蜂側にとっては大きなマイナスだし、しかも測定結果は電気を操る美琴のさじ加減一つで好きなようにいじられてしまう。食蜂が特に何も洗脳していなくても、『状況の沈静化に邪魔』と美琴が判断した場合あいつ洗脳されている事にしてしまえ作戦がいくらでも通じてしまう訳だ。
(……まるで私の名を騙って勝手力に魔女狩り独裁政治を始めるようなもんよねぇ)
フィジカルバカにこういうえげつない作戦を考えつくだけの頭がない事を祈るばかりだ。