1 アインクラッド
16 ③
だが、言葉とは裏腹に
「ね……キリト君。さっき言ったことと矛盾するようだけど……ちょっとだけ、前線から
「え……?」
「なんだか怖い……。こうして、やっと君と気持ちが通じ合ったのに、すぐ戦場に出たら、またよくないことが起きそうで……。ちょっと、疲れちゃったのかもしれない」
アスナの髪をそっと
「そうだな……。俺も、疲れたよ……」
たとえ数値的なパラメータが変化しなくても、日々の連戦は目に見えない
俺は、今まで己を
アスナの体に両腕をまわし、絹のような髪に顔をうずめながら俺は言った。
「二十二層の南西エリアの、森と湖がいっぱいあるとこ……あそこに小さい村があるんだ。モンスターも出ないし、いい所だよ。ログキャビンがいくつか売りに出てた。……二人でそこに引っ越そう。それで……」
言葉に詰まった
「それで……?」
こわばった舌をどうにか動かし、続きを口にする。
「……け、結婚しよう」
アスナが見せた最上級の笑顔を、俺は生涯忘れないだろう。
「……はい」
そっと