07 土曜日 ④
「へー、そういうこだわりプレイも面白そうだなあ」
無人島プレイができなかったら、生産メインって考えてたし、そっちはちょっと興味あるんだよな。
まあ、もうゲーム内交流とかは無理なんだけど。
「ただいまっと」
「ワフ」
テントに戻ってきて、戦利品をとりあえずぶちまけてから整理。
「やばい。ものが増えすぎて寝る場所がだんだん狭くなってきた……」
『外に置いておくと消えちゃうんでしょうか?』
「あー、どうせなら試しとくかな」
適当に作った木皿とか石のまな板なんかを外に出し、即席で作ったかまどの隣に置いておく。
誰かに盗られることはあり得ないんだけど、セーフエリアにも近いし、いつの間にか消えてるって可能性はありそうなんだよな。
「ルピのお気に入りだけは残しておくか」
「ワフン」
ちょっと恥ずかしいできだけど、ルピが食べやすいようにと作ったランチプレートだけは残しておく。
「小学生の図工の作品みたいなできだよな……」
〈スキルアシストで綺麗になったりはしないんでしょうかねー?〉
『普通のお皿みたいな一般的なものと違うとスキルアシストが効かないんでしょうか?』
「まあ、そもそも流木が
西側の森は針葉樹だったし、あっちで伐採ができればなあ。まあ、それはそれで「今度はノコギリが足りない」とか「カンナが欲しいなあ」とかになるんだろうけど。
……ん?
「なんで、ゴブリンがカナヅチなんて持ってたんだろ?」
『そういえばそうですね。昔は誰か人がいて住んでいた、ということでしょうか?』
「ああ、なるほど。無人島っていっても、ずっと誰もいない島ってわけでもないのか」
でも、確か無人島スタートが成功した時に【最初の上陸者】とか言われた気がする。
あれは『プレイヤーでは』ってことなのかな。まあ、そうじゃないとNPCが勝手に称号取っちゃうよな……



