第三章 わずかな余白と次へと繫がる予兆 Girl. ⑧
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運転席まで二階以上の高さがある、巨大なダンプカーの中だった。
ちょっとしたプールほどの広さもあるバケットの中には黒い石の山が積んであったが、実際には
そして、内部は整備場になっていた。
ギシギシと、化学性スプリングの
『シルバークロース』
「準備はできている。だが、回りくどくはないか?」
『今のままでは、まだラインが多い。もう少し枝を切っておいた方が良い』
「となると、
『私も出るさ』
「ラインを限定させるなら、お前は『アイテム』関連を
『潰せるものから一つずつ、順番に潰していくのが手っ取り早いのさ。大体、お前は以前しくじっただろう。枝の伸びる方向が変化しても困る』
「あれはお前が
『それがなかったとしたって、元々一〇〇点満点とは呼べなかったはずだ』
「
『分かっている。剪定の基本は、強く太い枝を選ぶ事だ。その意味では、あの枝が最も太く、なおかつ扱いやすい』
「流血と危機感は枝を育てる水となる、か」
『予定を確認する。私は
「だが
『それならそれで構わない。手間が省ける』
「
『シルバークロース。お前が
「『
『ふん、絹旗か。なら大丈夫だ。お前の不安は
通信相手の
いつものように、
『
少女はあっさりした声で、
『何より、今じゃあただの能力者の枠を超えている』
「そうか」
『お前の方こそ、前より地味になっていないか? サポート役とはいえ、二本脚なんて
「前にも言っただろう。私はTPOを
ギシギシと化学性スプリングを
「きちんと成果は出しただろう? 今回も同じさ。どれが一番か、じゃない。エネミーブラスターにはエネミーブラスターの、ビーランチャーにはビーランチャーの、それぞれの使い方がある」
『では、予定通り』
「そうしよう」
『フレメア=セイヴェルンか』
『まったく、大した人材だよ。あのガキは』