第二章 高嶺の華にギャップは用法用量を守って ③
ひとまずはこれで大丈夫か。
俺としては早速
ある種護衛と呼べる者の人数は、多ければ多いほどいいだろう。
「ウチらは今日中にやらなきゃいけない予算計算の仕事があるから、手が離せないのよ。
珍しくひよりも俺に対して申し訳なさそうな顔をしていた。
生徒会の仕事が滞るということは、すなわち生徒会長の
ポンコツがバレようが、仕事が
こうして改めて思うと、だいぶ世知辛いね、うちの学校。
割と校則も緩めだし進学率も高いから、一般生徒としてはかなり恵まれた環境なんだけどね。
「分かった。じゃあ……ひとまずお務めを果たしてくるよ」
「気を付けてね、
「はい、お任せください」
俺は軽く格好つけてから、
廊下に出た途端、なんだかいつもの風景がそうではないように見え始める。
すべては隣にいる
彼女はいつも通り
まあ、別に苦ってわけじゃないんだけどね。
だからこそ、こんなにも周囲の景色が輝いて見える。
あの時
ノーパンに感謝します。
「これから挨拶に行くのは、
「ああ、
日本史の教師であり、俺やひよりの担任でもある。
性格はなんというか……教師っぽくないというか。
少なくとも、生徒たちからは大人気な先生だ。
「……」
何かあったら、とは言うものの────まだ実際に
これだけ堂々と胸を張って歩いている人が、果たしてびっくりするほどのミスを犯すのだろうか?
……犯すんだろうな、多分。
「……すまなかったな、
「え?」
声をかけられて
「私のせいで、お前を生徒会に巻き込んでしまった……貴重な学生の時間を奪ってしまっただろう」
「……」
確かに、生徒会に入るということは自由に使える時間が減るということ。
俺はまだ部活に入っていなかっただけマシだけど、趣味や勉強に費やせる時間は間違いなく少なくなる。
たかが一つの出来事で、俺の人生は大きく変わってしまった。