プロローグ あの星に、わたしの指は届かない。

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 ──ずっと好きだった女の子から、告白された。


 俺たちはそれで幸せになるはずだった。

 はつこい相手のおさなじみが彼女なんて、きたりでおもしろみのないれんあいだと笑うやつもいるだろうが知ったことか。

 あいつのとなりが俺のいるべき場所。

 この子を守り、大切にしていく。

 けれど、固くつかんだはずの決意は直後に俺の指からこぼちることになる。

 七年というどうしようもなく長い月日が、俺たちの仲をいたから。


   ☆


 ──七年前は妹としか見れなかった女の子から、告白された。


 思い返せば、それが始まりリスタート

 本来なら一度ハッピーエンドで閉じたはずの恋愛小説おとぎばなしを開き、続きを書き込んだやつがいたんだ。

 そいつは七つ年下の、俺にとっては妹分みたいな子で、つまりおさなじみであるあの子と同じくらい大切な人だった。

 ゆえに、その告白の前と後では俺たち三人を取り巻く関係はがらりと変わってしまう。

 もう、七年前あのころにはもどれない。


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 これは、俺と彼女と彼女がつむ三角の形をした星のような恋の話さんかくのアステリズム