005
サーティーンデスが割と本気で泣き叫んでいた。一見悪者少女だけど、実はお葬式では派手に泣く方なのかもしれない。
そして勝手に諦めるから場に呑み込まれるのだ。
もう一人の死神がゆった。
無表情でドヤっている。
「ふっ。お洒落に目覚めたこのわたし、シティマカーブル2.0に女の子の輝きで勝てると思っているのカナ? ふんわり甘々しっとりー☆」
「わーカワイイの進化を常に続けてイイ匂いを振り撒く次世代死神少女にはこんなムサい野郎じゃどうやっても勝てないかなー?」
「出血がひどくて幻覚でも見てんのかツンツン頭、オイ負けたら死ぬんだよあの丸鋸でバラバラにされちゃうよう‼ あと私は普通にお年頃の女の子だわ雑にお前とおんなじ引き出しに入れてんなよな!」
「☆☆☆丸鋸お洒落でカワイイまじ輝いてるシューティングスター今わたし最高に盛り上がってるナノ☆☆☆」
「幻覚見てんのはむしろあっちサイドかよ⁉ あのメカ萌え死神さっきから言動が全部おかしいっていうか……ま、まさか連休明けに会社のパソコンでおかしなメールでも開いちゃった? なんかまずい添付ファイルをついうっかりダブルクリックしちゃってヤバいのに感染とかしてねえだろうな!」
サーティーンデスは至極真っ当な話をしたのだが、何故だかツンツン頭の高校生から反応がない。
実は普通に死にかけている人が根本的な話を始めてしまった。
そもそもである。
「……ていうか何で俺シティマカーブルと戦ってんだっけ?」
「あっ」
「何かこう敵味方の図式がおかしいんだよ。今はえーと確か学園都市で諸々の事件が解決した後、これはどういう訳か脱走したお騒がせ魔術師サーティーンデスにシティマカーブルが襲いかかった直後の話だから」
「ブほブエ⁉ へ、えへへ。まっ真面目な整理や検証はやめましょう? ねっねっ?」
真面目にしろと迫っていた死神の口からこれが出た。
皮肉にもほどがある。
お望み通りメーターの針がシリアス時空に飛んでいた。
「……お前、何で自由に外を出歩いてんの? 負けて捕まってイギリスの怖い人に引き渡される予定になってたはずなのに」
「時系列とか整合性とかそういう話はだめえ‼ うわああ! ああそうだよこのツンツン頭とは結局最後の最後まで特に仲直りなんかしてねえよ、そんな訳でウルトラやベー敵が二人に増えたあ‼⁉⁇」
あと何で
今回はヘンタイが過ぎたからかもしれない。



