C3 ‐シーキューブ‐
第二章 「どこに、なにを、なにか」/ "When contents of the cube are exposed" ③
「なにおう。今までの受け答えを見なかったのか。ごく普通に会話できていたぞ」
「残念ながら見てると俺の心臓が
「さっきから気になってたんですけど……その制服は一体どこから?」
「言わずもがなであろう。腰も胸も、
「わ、わたしの部屋を荒らしたんですか! あなた、していいことと悪いことの区別くらい!」
と、さすがに顔色を変えて詰め寄るこのはを見上げ、フィアは余裕の表情で
「ほう……そんなことを言ってよいのかな?」
「どういう意味です?」
「のう春亮、聞いてくれ。
「わーわーわー! あれを買ったのは一時の気の迷いで!」
「何騒いでんだお前ら……ほれ、ジュース買ったし戻るぞ」
歩き出しつつ、春亮はフィアをちらりと見下ろした。
「ちょっと聞いてたが、さすがに人の部屋に侵入するのはマナー違反だ」
「む……仕方なかろう。学校には制服を着てないと入れない、ということくらいは知っておったのでな。第一、『この制服の学校はどこだ』と通行人に聞いたからこそ来れたのだし」
「なんで制服がない時点で『
「ていうか、どうやって部屋に入ったんですか。ちゃんと
「……? なんだか知らんが、普通に入ったぞ。窓のほうから」
「窓にも鍵はかけていたはずですが。ま……まさか!?」
絶句するこのはに向け、フィアは真顔でVサインを出して言った。
「うん。割った」
ふらり、とこのはが立ち
「……あーうー。駄目だ、すげぇ疲れた。おいフィア、飯食ったら速攻で帰れよ。先生とかに見つかったらどんな騒ぎになるかわからん」
「むう。授業とやらも見てみたいのだが。駄目なのか」
「駄目に決まってるだろ!」
教室の前でそんな会話を繰り広げていたとき、ふと逆方向から
「いんちょーさん、どっか行ってたのか?」
「少し職員室にな。喜べ、
しょくいんしつ。その七文字に感じた
「先生に掛け合ってきた。特例として、異国の客人が午後の授業を見学することを許可してくれるそうだ。なに、感謝の言葉はいらない。委員長として当たり前のことをしたまでだ。異文化交流の機会というのもそうそうあるわけではないしな。色々勉強になるだろう」
余計なことを! という絶叫を
「これでもう少しフィアくんと話す機会が持てるな。まだいろいろ確認すべきことが残っている──
その眼光の鋭さを見るに、間違いなくこちらがメインの理由だ。
(ああもうまったく、どこに文句を言ってよいやら……!)
しかし結局、春亮はがっくりと肩を落とすだけで
どこに文句を言っても聞き入れられないのだろうな、ということはなんとなくわかったし。
「よくわからんが……授業に出ていいのか? キリカとか言ったか、お前、いいやつだな!」とはしゃぐフィアの顔が、予想以上に
◆
「……? 一つ多いような気がしますが……?」
最後の一つ、ギターケースのように細長いトランクに心当たりはなかった。短くなった煙草を灰皿に
「これは……」
一瞬で彼女の
「ああ、もう──余計なお世話ですわ、余計なお世話ですわ……
ケースを
「うう……
ふらふらと歩き、テーブルに置いていた煙草の箱を
三本目の煙草を灰にしたとき、荷物に入っていた携帯電話が鳴った。通話口から聞こえてきたのは
『本作戦を担当する
「それはご苦労様。こちらも無事に到着いたしました……この国に来てから見られていたような気がしたのですが、それは
『肯定する。入国時より支援を開始。している。
「
『……? 何のことかわからない』
「
『了解。作戦を開始。する』
そして電話の声が目標のいる位置を告げた。割り当てられた相棒の有能さに満足する。
通話を終えると、彼女は天井に
「さあ、参るといたしましょうか。
◆
放課後の屋上。
それでも、フィアは
「ここは高いのぅ、いい気分だ……よく考えれば
それからふと、思い出し笑い。
「にしても──授業というのもなかなかに面白いものよ。ふふ、私が英語を
「基本能力が違うお前らと一緒にするなよ……」
隣では、同じく疲れた顔のこのはがフェンスに寄りかかっている。当初は



