プロローグ
アンドロメダ
そこに特設会場はあった。
宇宙色彩
「それでは第七百六十
審査委員長の声が響いた。
「銀河連邦警察機構公式採用、
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
タンポポ・トコドッコ・ポポールは喜びの声を上げた。
プロジェクトチームに飛び込んでから早くも五年。赤字
注ぎ込んだ情熱の分だけ
ここまでの道程は
同じように採用を目指して三万二千三百六十三もの企業が研究し開発し発表したのだ。それから何百回ものテストを終えて現在にいたる。
しかし
それまで宇宙
同じく最終審査に残ったエメラルドカンパニー製ネルロイドXを打ち破れば、公式採用が決まり弱小企業である株式会社オタンコナスは
だがタンポポにとってそんな事はどうでも良かった。
一番大切なことは自分が作り上げてきたものの価値を皆が認めてくれるということである。
それが喜びだった。
「あと
チーフメカニックであるタケムッチョが、
タケムーラ星出身の彼には骨というものがない。したがってどうしてもこのような不自然な動きになってしまうのだ。
「勝てればいいね」
タンポポは満面の笑みでそれに答える。
そんなタンポポの後ろからグニョ~~~ンと
「希望を持てよ」
「マルマル」
タンポポが
そこには巨大なカタツムリがいた。
いやそれをかたつむりと形容していいのかどうかは分からない。
全身から無数の触手を
マルマルと呼ばれたそのカタツムリ男は歯のない口を開けてのろのろとした口調で語る。
「ぶぉくにできることは整備だけだぁ。ぶぉくが長年
「でも、あのエメラルドカンパニーと同じ
「何言ってるんだ。ここまできたらもう勝利しかないぜ」
「勝利だ」
「勝利!」
盛り上がる株式会社オタンコナスプロジェクトチーム。
彼らの
「正直驚きましたわ」
かわいらしい声だった。
タンポポは振り返り、そして声を上げた。
「うわ~~かわいい!」
そこには体長三十センチ程度の
「わてをかわいいかわいいと形容するな!!」
小動物は
その
「ハナモモンチョ」
マルマルが
「誰? あのモモンガ星人?」
「知らないのかぁ。エメラルドカンパニー、ネルロイドX開発主任、ハナモモンチョ・モンチョッチョ・モンブランだぁよ」
「え~~~こんなにかわいいのが」
タンポポの黄色い声は無視することに決め込んだのだろう。ハナモモンチョは左右にピンと飛び出した
そして
「しかしえらい
「てめえ」
タケムッチョがうねうねと
タケムッチョに代表される
そんなタケムッチョをさらに
「まぁ。
ハナモモンチョは笑い声を響かせつつ去っていった。
本人は悪者的演出に
「確かに、あっちは業界大手の軍需産業の会社だからなぁ。こんな玩具会社相手にならないかもしれない」
スタッフの一人のぼやきがタンポポの耳に飛び込んだ。
「そんなことないもん」
タンポポは振り返るとスタッフ一同を
「皆で一生
「静かにしろ。タンポポ」
タケムッチョが触手をタンポポの前に突き出した。
「最終審査の方法が発表されるぞ」
タンポポは押し
審査委員長が立ち上がる。
指を鳴らすと空中に光が走り、そこにスクリーンを形成する。そしてそのスクリーンに惑星の映像が映写された。
青色が地表面積を占める割合がかなり多い惑星だった。
「最終審査、その場所、その方法は」
その胸には熱い決意があった。



