織田ブリュンヒルド信長は天下のナナメ上を征く
第零章『金を借りてまでやりたいことがある奴の下に自然と人と金が集まる』 ⑥
「中年男が鈍感系のとぼけ方するな! 鬱陶しい! だいたい、あの話の流れでやらしい話って言われたら、他人には聞かせられない後ろ暗い話をされると思うだろ!?」
「?
「たしかにそうだけど! 正論だけどな!」
「まあ、真面目に答えると先行投資みたいなもんやな」
「先行投資?」
「油売りから大名に上り詰めた
「借金ばかりする小娘を客にしておいて」
「さっき
「最後の一言だけ熱量違ったぞ」
若干はぐらかされたような気はしていたが、ブリュンヒルドに敵意を持っているわけでもなく、軽んじているわけでも悪意を持っているわけでもない。少なくとも表面上は。
「ブリュンヒルドの借金は返させる。だからこれ以上貸すな」
「へいへい。心掛けますわ。ただ、
「なら俺は手番を守らせる。仕事柄、決まりを守らせるのは得意だからな」
そう
「先生、先生! 見てください! 新商品が出来上がりましたよ!」
彼女の両手には黒い弓形の何かが一本ずつ握られていた。
「なんだそれは?」
「『チョコバナナ』です! 南蛮渡来のバナナの上に同じく南蛮渡来のチョコレイトを溶かしたものを
ブリュンヒルドから手渡されたチョコバナナを
「ほう、これは美味。チョコとバナナが合わさってより
「でしょ──。先生はどうです?」
ブリュンヒルドに促されて恐る恐る口に運ぶ
「まあ……普通に食べられるな。タピオカやナタデココよりはまだわかる」
「素直に
「そう言われても……甘いものがあんまり好きじゃないんだよ」
「ええ〜〜〜……かわいそう。しばらくこれを食べ続けなきゃいけないのに」
ブリュンヒルドは
「……ちょっと待った。いま、不穏な言葉が聞こえたんだが?」
「これを食べ続けなきゃいけないってことですか。だってしょうがないじゃないですか。チョコもバナナもたくさんまとめて買えば割引してくれるって話だったので米を売ったお金の残り全部突っ込みましたよ。先生がくれたお小遣いも」
「あれは小遣いじゃなくて食料とか生活必需品を買うために預けた金だよっ! なんてことしてくれたんだ! また毎日同じものばかり食べ続ける生活が始まる……嫌だあああ!!」
「そんなに嫌ならそうちゃんにお金借りて買えば
「貸してあげたいのは山々なんやけどな、お金を貸したらアカン、と
「メチャクチャ
自分があまり好きな味でないのも確かだが、目新しいものが売れるのは都会だけで、これから向かう土地ではろくに買う者がいないだろうことに
「どうされました? 病気ですか? 横になります?」と



