境界線上のホライゾン きみとあさまでGTA Ⅳ

第三十三章『独壇場の作り物』

 P-01sは、おもむろに店内の神肖筐体を打撃した。

 斜め四十五度。インパクトの瞬間に手首を軽く回して下に打ち込むのが大事だ。


「しかし、……映りませんね。P-01s、しくじりましたか」


 と、客が引き気味で見る中、P-01sは腕まくりをして二発目を構える。

 しかし、右の手が放たれるより先に、厨房から影が来た。

 店主だ。

 彼女はスープの入ったカップを盆に載せてきて、


「無理無理、P-01s、それは叩いて直るタイプのブラックアウトじゃないからね。きっと、放送元の方で遮断になったのさ」


「成程、P-01s、見切りがまだまだ甘かったと判断出来ます。──しかし、店主様、どういうことなのですか、一体」


 そうだねえ、と、店主は各テーブルにスープカップを載せていく。


「簡単に言えば、皆がピンチってことかねえ」


「ま、真喜子先輩! 映像遮断されちゃいましたよ! 折角、鳥居さん達の新曲が二曲目に来てたところだってのに!」


 武蔵アリアダスト教導院、正面の橋階段の最上段から、声が上がる。

 段に座っていた三要だ。

 彼女は、空に映るブラックアウトした表示枠を指さし、


「一体、どういうことなんです!」


「Jud.、いい光紀? あのまま放送して、ぐちゃあー! とか、ぬちょお──! みたいな映像は危険だものね。

 機材や放送経路乱れたってのが第一義だと思うけど」


「あのう、真紀子先輩? どうした真喜子先輩はそう落ち着いていられるんですか」


 そうねえ、とオリオトライはもう一度頭上を仰いだ。

 ややあってから、


「でも、今からだと救けに行っても間に合わないし」


「ひ、他人事! 他人事になってますね!」


 皆の、大丈夫か……、という視線の先、オリオトライが眉を下げた笑みで言葉を作る。


「大丈夫よ。半端はするなって皆にはいつも言ってるし、そのとおりにすると思うわ。

 光紀だって、自分なりにそういう形で教えてるんでしょ?

 だったら、そういう自分を少しは信じなさいって」


 浅間は、空の夜風を浴びていた。


 ……流石に、風が強いですね。


 自分がいるのは、伏見城の東側の空だ。

 距離にして五百メートルと言ったところ。

 この距離から見ても、雷撃を浴び続ける伏見城と、その艦首側の崩壊は明確だった。

 視線の先、親隠竜による天上からの直撃で、伏見城の艦首部は潰れている。

 流体燃料の漏出が起きているのだろう。

 光の霧と、武蔵側から生じている雷撃の連続で、主甲板側が見えていない。

 ここから解る範囲では、艦首側の崩壊が深刻だ。

 親隠竜の落下位置が舞台裏だったため、どちらかというと艦首側は反動で跳ね上がった形に変形している。

 その一方で、直撃を食らった舞台裏の控え場所だけではなく、艦内地下一階部の楽屋までもが一段低くなっている。

 あれを直撃されたら、と思うと肝が冷えるが、


「いや、救かりました、ナルゼ」


 自分は眼前の黒い翼に声を掛ける。

 今、己が座っているのは、ナルゼが持つ新機殻の機殻箒だ。

 ”白嬢”。

 その加速力で、自分は隠竜の落下から救われた訳だが、


「気にすることは無いわ、浅間。

 見捨てなくてよかった、ってことだから」


 ナルゼの言葉に、自分は小さな笑みを得た。

 複雑な物言いだが、こちらの身を案じてくれたのは確かなのだ。

 あまり深くここに突っ込むと、そっぽを向かれることになる。


「──じゃあ、ええと、隠竜によく気づきましたね、ナルゼ」


「何が”じゃあ”なのか解らないけど、気づいたのは偶然よ。

 ──まさか、マルゴットと艦首甲板で盛り上がって、押し倒された視界に落下してくる隠竜が見えるなんて。

 一瞬、まあどうでもいいか、とか思ったけど、気を変えて良かったわ」


「冷静に言ってますけど大概ですよね!? あと、隠竜ちょっと可哀想ですよね!?」


 いいじゃない、というナルゼの顔横に、魔術陣が一つ現れた。

 スピードメーター型のそれは、ナイトのものだ。

 黒魔女の笑み顔が映るそれは、


『ほーい、ガっちゃん大丈夫。あ、こっちは西側ね』


「大丈夫よマルゴット、こっちは東側、そっちに二人、拾えてる?」


『Jud.! ミトっつあんと喜美ちゃん拾えてるよん。ミトっつあん後ろで、ブースターみたいに髪の毛凄くて、喜美ちゃん機首側で踊ってる』


「どーいうバランス感よ」


 ナルゼがうんざり声で言うが、光景が容易く想像出来る自分はどうしたものか。

 ただ、


「ええと、隠竜は今──」


 艦首側より後ろは、裂音を響かせる雷撃と流体燃料の霧で見通せない。

 だが、重なる八雷光の向こうから、別の音が聞こえてきた。

 ナルゼがそちらに抉るような加速を始める先、耳に届くのは、


「……獣声!?」


 隠竜のものではない。

 知っている。

 今、あの雷の檻から外に届いてくる叫びは、


「まさか……」


 アデーレは、一瞬で従士隊の隊列が崩壊したのを悟った。

 いきなり過ぎた。

 親隠竜が来る、というのは予測されていた事だ。

 だが、非神系が八体同時というのは、想定を越えている。

 隠竜のチャージに対し、中央密集からの後退で身構えたところまでは良かった。

 だが、左右からの非神系が、己の有する力を叩きつけてきた。

 布陣の前方側では、ほぼ真横からの攻撃だった。

 ゆえに従士隊と戦士団は、一番分厚く作るべき先頭を横から砕かれ、


 ……そこに隠竜のチャージを食らったわけですね。


 鉄がぶつかり合い、装備が砕け、しかし突然の事に、苦悶の声さえも上がらなかった。

 布陣の半ばにいた自分も、同じように吹っ飛ばされた。だが、


「……え?」


 妙な事がある。

 自分達は、雷撃の下で、親隠竜の突撃を受けた。

 そのはずだった。

 それなのに、吹っ飛ばされた身は勢い軽く、受けたのは衝撃と言うよりも風圧で、


「これは──」


 己は見た。

 自分達と親隠竜の前に存在する巨大な姿。

 その正体は、


「──非竜刀!?」


 点蔵は、鈴木・孫一の監視で後部客席にいたため、隠竜の突撃範囲に含まれていなかった。皆と共に防御布陣を組めなかったことへの申し訳なさと、だからこそ無事であった己の行幸を腹に抱えながら、眼前にある光景を確認する。

 今、自分達は武蔵から生じる八本の雷撃に伏見城を洗われながら、敵を迎えている。

 近くにいる観光客達は退避しつつ、


「御父様が巻き込まれていなかったことで得た複雑な感情は、何と呼ぶべきでしょうか……」


「ネ、ネガティブなものでなければ何でもいいで御座るよ!?」


 鳥居と孫一の歴史再現どころではない。

 正面にあるのは、左右四体の非神系と、親隠竜と、しかしこちらに背を見せて守るような姿勢を取った、


『……!』


「非竜刀……」


 知っている。

 先日に浅間達が隠竜相手にハシャいだとき、元々は先行するようにこの非竜刀が生じていたのだ。

 この非竜刀は、あのとき、親隠竜との戦闘を行っていたと、記録にはある。


 ……無論、非竜刀も、非神系と同様で、本来は人に害為すものの筈!


 しかし、それが何故、今、自分達を守っているのか。

 自分はそれを思い、


「────」


 ふと、ある可能性を思った。


 ……まさか、この非竜刀、発生において、単純な淀みではないのでは?


 ミトツダイラのケルベロスと同じだ。

 淀みよりも、地元の精霊や、武蔵の純粋な地脈が寄り添って出来たもの。

 精査はしていないので、明確な答えを作ることは出来ない。

 ただ今、言えるのは、


「皆の衆! この非竜刀、味方で御座る!」


 叫んだ点蔵は、直後に皆の反応を得た。

 それは、誰も彼もが眉を立てた顔を向け、


「はあ!?」


「何言ってんだ貴様! 常識で考えろよ!」


「いい加減な事言って、振り向き尻尾でも食らったらどうすんの!」


「あ! こいつ、発光器をこんなに持ってやがる!」


「ぬううう、飛んだ藪蛇というか、完全に個人攻撃まで呼び覚ましてしまったで御座るよ!」


 しかし、助けが来た。

 前方の崩れた布陣にて、両腕を振り上げたアデーレだ。

 彼女は眼鏡の位置を直し、こちらに声をあげた。


「大丈夫です皆さん! この非竜刀、味方です!」


 その言葉を聞いた点蔵は、即座に皆の反応を聴いた。

 それは、誰も彼も首を下に振り、


「そうだよな!」


「いい見解だな君! 常識も時には無視する必要がある!」


「自信ある発言! こんな竜が味方なら、安心ね!」


「あ! その子、ちゃんと従士の正規ナンバー持ってる! 実力あるぞ!」


「ぬうううう! 何か性別格差というか、社会の暗部を見たで御座るよ!」


 だが、結論としてはこっちの望みと同じだ。

 そしてもう一つ、こうなったら自分としては、アデーレに一つ頼りたい。

 皆を動かす起点となって欲しいのだ。

 今、総員は、非神の斬撃や打撃の風を受けている。

 前線は必死に防戦を行っているが、防御の厚さは頼りなく、それを見てか、非竜刀は隠竜と睨み合って動けない状態だ。

 だから、


「アデーレ殿! 以前、隠竜を張り倒したアデーレ殿の見解を聞きたいで御座る!」


 アデーレを指さし、自分は言った。


「現状、どのような作戦がいいで御座るか!」


 アデーレは、口を横に引きつらせた。

 通神用の表示枠に対し、


『な、何を無茶振りしてんですか──!!』


『いや、流れ! 流れで御座るよ!』


『仕方ないね。じゃあ、ここは僕が作戦を立案しようか』


『危険だからやめろ……!!』


 思わず皆と一緒にツッコミを入れてしまい、


 ……あ、いけない。


 言った分はやらなければならない。

 だから自分は、


「えーと」


 風が吹き、雷の火花が降る中で、迷いはするけど息を吸った。

 先輩達や役職持ちもいる現場だが、自分だって対竜の経験者なのだ。

 ならば、と己は腕を振って叫んだ。


「全体、左右分隊! ──隠竜は非竜刀に任せて、両翼から非神系を各個撃破します!」


 ……自分は左舷側!


 散った瓦礫を避けながら走った。

 手元に、作戦のために用意された防護術式の符を展開。

 光る流体の楯を掲げながら、左舷側の列に合流し、


「突撃──!!」


 皆が行くと同時。

 中央にいる非竜刀も、身を前に出した。

 総員が、自分達を改めながらではあるが、激突を選択したのだ。


 ”武蔵野”は、全体の推移を露天艦橋から補足していた。

 検分の判断としては、


 ……ぎりぎり、保っているというところでしょうか。


 八体同時出現の非神系と、親隠竜。

 それらを放置すれば、結局は武蔵に害が残り続けることになる。

 だからここで絶対に全て砕かねばならない。

 だが、出来るのか。

 自分に可能なのは、武蔵からの淀み抽出によって生じる八本の雷撃を、防護系と緩衝系の制御押さえ込むことと、艦の姿勢を保つことだ。

 以前の”奥多摩”が出場した戦闘では、艦の傾きが勝負を決めた要因だった。

 だが今、同じ状況で動ける者が多いとは思えない。

 今回は一般客もいるのだ。

 ならば、


「”西国分寺”、艦首側に傾斜がつきつつあります。艦尾側を下げて水平を。──以上」


 戦場に、なるべく悪い要因が出ないようにする。

 それが自分達の手伝いだ。

 しかし、


「”武蔵野”様。

 ──非神系が己を確定、動き出しました。──以上」


 悪い状況だ。

 敵と水平に向き合っている戦士団は気づいていないが、上から見る限り、非神系は出現位置からの移動を始めている。

 非神達の方が遙かに背が高いため、戦士団の布陣の意図を読むことが出来るのだ。

 更には、妙な事が生じていた。


 ……非神系の出力が、上がっている?


 己の姿を確定したからだろうか、斬撃や打撃の風が、数多くなっている。


「──伏見城、非神の結界に包まれます! 以上!」


 以前と同様で、荒れた雲の結界が伏見城を包んでいく。

 八体が呼応して、自分達の”場”を作ろうとしているのだ。

 ですが、と己は思った。

 自分はこういう妖物との戦闘経験が薄いものだが、


 ……これほど、統制のとれた動きを取るのですか!?


 何かが式を執っているのではないかという、そんな疑問に対する答えは、意外な形で回答を寄越された。

 声が聞こえるのだ。

 雷の奥、風の向こうから、確かに届いてくるのは、


「歌……!? ──以上」


 鈴は、歌を聴いた。

 退避で、まずは左舷側通路に引き、そこから艦尾側に向かう流れの中だ。

 イントロから響く曲は、聞き覚えのあるものだ。

 湯屋のカラオケでもたびたび唄われることがあるダンス系の曲。

 低音のドラムが叩きつけるように響いてくるのは、


「”決まり事”……」


「ふむ、生徒会長、歌によって無事を知らせてきているのか?」


 ウルキアガの言葉に、鈴は反射的に首を横に振った。


 ……違う!


 根拠はない。

 だけど、違うと、感覚がそう告げている。

 今響く音も、風に絡むような前奏の声も、全ては自分の無事を告げるものではない。

 これは間違いなく、


 ……この、甲板上の全てを示す曲……!


 ドラムは雷撃で、歌声は荒れる風。そして歌詞は、


『夜に出よう 町に出よう いつもの事 変わりない事──』


 嘘、と鈴は思った。

 これの何処が、いつもの事で、変わりない事なのかと。

 だけど、


 ……うん。


 自分は感じた。

 今日の、ここまでのライブにて、人の思いを浴びてきた己は、ある事実を感じた。

 この荒れた、砕きの現場がいつもの事で、変わりない事と、ずっとそう感じていた人もいるのだと。

 音が、もはや音楽と歌だけではなく、雷や艦の震動をもって伝えてくる。


 これがいつもだよ。

 これが、変わりなくあるべきことだよ。


 ……何で?


 何をもって、そんなことを言うのか。

 そんなこちらの疑問について、詞は続いた。


『皆が出来る事』


 それは、今の皆が行っている精一杯の抵抗だろうか。

 非竜刀が隠竜と激突し、艦を大きく震動させている事だろうか。


『私の出来る事』


 それは、今、この現状だろう。

 間違いなく、生徒会長は、芸能神の奏者として、歌で怪異祓いに介入した。

 温まっていた力を解放し、本来ならば浅間の順番で成立すべきことを、強引に自分達で起こしたのだ。

 だが、何故だろう。


『囲まれた空 囲まれた夜』


 その通りの今を作ったのは、何故か。


 鳥居は、半壊したステージで身を回し、声を放った。

 眼前には隠竜の背が有り、巨大な激突の音が響き続けている。

 左右には非神達がこちらの歌声に押され、侵攻を続けている。


 ……だけどさあ。


『広げた両腕は 囲いの檻に届かない』


 どうだ。


『夜の中にさしのべても 翳りもしない』


 どうだろう。


『ただ歌があれば ただ踊りがあれば』


 どうなのだろう。


『夜はいつもの空気 また私を誘う』


 どうだ皆。


 アデーレは、押される自分達を感じた。

 突撃を連続で掛け、シールドアタックを繰り返し、総勢は前に出ているはずだ。が、


『──夜に踊ろう 町に踊ろう』


 ……く!


『いつもの事。変わりない事』


 それはまるで、


 ……現状が、ずっと続くようです……!


 押してはいる。

 しかし、気圧されているのだ。

 足は重く、腕は上がらず、ただ心だけが焦り、散る雷撃の火花に弱気を得る。

 空はもはや見えない。

 あるのは稲妻の檻と、散る流体光と、


『誰にでも出来る事──』


 自分達の行為を、特別としない歌声だ。


『私も出来る事』


 非神が前に出る。

 こちらがシールドアタックを重ねるならば、対するように、極厚の大気の刃や貫通撃を連打で叩き込んでくる。


 減らない。



『空を見上げ 夜を見透かし──』


 それが見えているのは、生徒会長達だけだろうか。

 自分達には、振り仰げば非神達の見下ろしが有り、空を隠す雷撃と暗雲の檻がある。


「くあ……!」


 右の女子が、姿勢を崩して吹っ飛ばされた。


 ……しまった!


 慌てて右腕を伸ばし、


『そして抱いた胸の中』


 必死に支えるのは、彼女のためだろうか。

 それとも、そうすることで、ここに居続けようとする自分の意思を失わせないためだろうか。

 ただ聞こえるのは、


『囲いの外を望むなら』


 まずい、と己は思った。

 非神が、自分を見ている。

 そんな気がする。

 右腕で仲間を支えた自分は、今、前線の一角だ。

 そこに対し、


『私の中にある心は』


 来た。

 風の攻撃が、一気に四つ。

 上から見ている非神にとって、全体のほころびは明確なのだ。

 だからというように、


『──鼓動を越える』


 一度に数発の力が、こちらの楯を砕いて胸元に飛び込んで来た。


 アデーレが風を耳元に感じたのと、眼前に攻撃の四発を見たのは、ほぼ同時だった。


 ……死んだあ──!!


 非神の力が前髪を揺らす瞬間に、自分はこう思った。

 オッパイ大きかったら、十センチほど先で食らってるんですよねー、と。

 無くて良かった。

 いや、あんまし良くないですけど。

 でも今はいいことにしておきます。

 だが、現実は厳しい。

 すぐに自分は吹っ飛ぶ事になるだろうが、


 ……ああ、点蔵さんにノセられた自分が馬鹿でしたね。


 あの忍者、もし生きて帰れたら食事を奢らせましょう。

 ええ、それがいいです。


『ええと、すみません』


「あ、観光客さんの幻影が謝る必要ないですよ!」


 しかし、だからと言って現状は変わらない。


「つまりMURI──!!」


 思いを、そのまま言葉にした瞬間だった。

 自分は、視界正面の四発が、いきなり光に砕かれたのを見た。


 鈴は、アデーレの直前で力が砕けたのを悟った。

 飛来した非神の四撃を割ったのは、彼女の後ろから飛んで来た四つの破壊力。

 しかも、どれも別の形をしたものだ。あれは、


 ……槍に、お金に、矢?


 振り返るアデーレと一緒に、自分は背後を仰いだ。

 階段客席の上、露天艦橋がある。

 雷撃の音を背景にそこに立っているのは、


「ハアイ、賢姉様が愚衆共を救済に来てあげたわよ──! ほら、どいつもこいつもシケた顔してウダってないで、オシーリの穴に気合い入れて前向きなさい! ハイそこアデーレ! アンタ他の人より敵弾が当たるの遅いんだから、とっとと前出る!」


「思いっきり個人攻撃来ましたよ……!!」


 だが、声をあげる喜美が、既に自分の周囲に表示枠などを展開している。

 そして、彼女の横に四人分の影が並んだ。

 ナイトとナルゼ。ミトツダイラに浅間だ。


「皆……!」

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