はたらく魔王さま!SP

勇者、魔王を討伐する ─ 熊殺し編 ─

 駒ヶ根の佐々木家から送られてきた大量の野菜を、なんとかして冷蔵庫に詰め込もうと芦屋が四苦八苦しているのを、真奥はぼんやり眺めていた。

 送られてきた段ボール箱と冷蔵庫のサイズを比較すれば、全部入りきらないのは自明の理である。

 特に一抱えほどもあるスイカが三玉もあり、さすがの芦屋もこれを冷蔵庫に入れるのは早々に諦めている。

 今日の夕食は塩を振ったスイカだろうか。

 東京の酷暑の中ならばらそれも悪くないなどと思っていると、

「こちらも苦労しているようだな」

 鈴乃が二○一号室の玄関を開けて覗き込んでくる。

「そっちは大丈夫だったのか?」

「いや……」

 鈴乃は苦笑しながら首を横に振った。

「スイカは早々に諦めた。一玉、なんとか食べきるしかないな。あと、足が早そうなものは今日中になんとかして漬物にでもしてしまおうかと思っている」

 やはりスイカか。

 真奥は、千穂の祖母エイが『最近は大玉のスイカが敬遠されがち』と言っていたのを思い出す。

 なるほど、夏場の冷蔵庫の中にこれだけ大きな球体があったら邪魔で仕方ないし、よほど大所帯か大食らいでもない限り、消費するのも大変だろう。

 二○一号室は男ばかり三人だから、三玉あってもまだなんとかなる。

 だが、鈴乃は一人でスイカ一玉消費しなければならないのだから、小柄な彼女にはこれはなかなかの難事業だろう。

「近所に、テレビに出てくるような大食いチャンピオンでもいりゃいいのにな」

 真奥はそんな軽い口を叩く。

「ところでなんの用だよ。言っとくがお前んとこの野菜を引き受けられるような余力はこっちにもねぇぞ」

「いや、エミリアからメールが来てな」

 鈴乃はそう言って、真奥に携帯電話の画面を見せる。

 真奥は反射的にそれを覗き込んで、首を傾げた。

 恵美から鈴乃に宛てられたメールは、

『今日、仕事帰りに行くから。魔王にもそう伝えておいて』

 と、シンプルだが強い意志を感じさせる文面だった。

「なんだこれ。俺に断り入れる必要あんのか?」

 恵美が普段ヴィラ・ローザ笹塚を訪ねてくるとき真奥に断りを入れるのは、アラス・ラムスと真奥の面会の約束があるときに限定される。

 駒ヶ根から戻って何日も経っておらず、アラス・ラムス絡みの約束も無かったため、真奥は違和感を覚えながらもあまり深く考えなかった。

「分からんが、一応伝えたからな」

 鈴乃も特に気にしていないのか、それだけ言って自分の部屋に戻ってしまう。

 暑さのせいと言ってしまえばそれまでだったが、真奥はもう少し、この違和感の理由をきちんと考えるべきだった。

 そしてそれを怠った代償を、わずか数時間後に払うこととなる。



 夕方になり、陽が傾いても全く熱が引かぬ笹塚の町。

 だがどういうわけか、真奥は背筋に悪寒が走り、小さく唸る。

「どうされましたか、魔王様」

 芦屋の問いに、真奥は震える声で答える。

「わ、分からねぇけど、今、すっげぇ寒気が」

「うわ、顔真っ青。風邪でもひいたんじゃないの?」

 漆原が素直にそんなことを言うくらい、真奥の表情は青ざめているようだ。

「風邪……かなぁ。おい、ちょっと体温計取ってくれ」

「駒ヶ根では、かなり肉体労働が続きましたからね。銚子でも慣れぬ環境で働いていましたし、少し養生されたほうがよ……ん?」

「芦屋?」

「……い、いえ、私も、今少し寒気が」

「ええ、ちょっとどうしたんだよお前ら。二人して突然……っ!!」

 これはどうしたことか。

 真奥に続いて芦屋も漆原も、突然の悪寒に身を竦ませる。

 丁度そのとき、真奥の耳は誰かがアパートの共用階段を上がってくる音を捉えていた。

「うっ!」

 その音が、さらに真奥の悪寒を加速させる。

「い、一体なんだ……」

 足音は二階に到達すると、一旦二○一号室の前を通り過ぎる。

「ああ…………るぞ…………どうし…………」

 わずかに聞こえる鈴乃の声。

 そして、気づいたときには遅かった。

 稲妻の如き速度でキッチン前の窓を影が横切り、刹那の間すらおかず、二○一号室の玄関が蹴破られる。

「「「ひいっ!!」」」

 魔王と悪魔大元帥と堕天使は、情けない悲鳴を上げて身を竦ませた。

 そこに立っているのは、魔王よりも圧倒的に魔王らしい殺気を背負った、天使とのハーフなはずの勇者であった。

「こんばんは、魔王」

 静かな口調の一音一音が、まるで聖剣の切っ先の如く真奥に刺さる。

「えっ……え、恵美っ……一体……なっ……なんの、用……」

 真奥は、最後まで言うことができなかった。

「自分の胸に聞きなさいっ!!」



 その踏み込みの速度は、エンテ・イスラの魔王城での決戦を凌駕していた。

 芦屋四郎は一時間後、そう語った。


         ※


「いいですか」

「はい」

「真奥さんと遊佐さんは魔王と勇者で、宿敵同士。それはいいです。仕方ありません」

「はい」

「でもですね、今は二人とも日本に住んで、曲がりなりにも社会人やってるんです」

「重々承知しております」

「だったらですね、最低限通すべき筋、ってありますよね」

「仰る通りです」

「だから、真奥さんが悪いって、分かりますよね」

「もちろんです」

 ヴィラ・ローザ笹塚の二○二号室。

 鈴乃の部屋で千穂に膝詰めの説教をされているのは、真奥ではなく芦屋だった。

 真奥は今、二○一号室で漆原とともに人事不省となっている。

 恵美と真奥がつまらないことで喧嘩するのはいつものことだが、今日は特に阿鼻叫喚の度合いが酷く、さりとて原因の分からない鈴乃は、騒動が起こる直前に預けられたアラス・ラムスを抱えたまま、千穂に救援を求めることしかできなかった。

 極めて深刻な事態と判断した鈴乃が必死で救援を求め、鈴乃の必死さに驚いた千穂が猛ダッシュでやってきたときには半分ほど事態は手遅れ。

 勇者の突進に巻き込まれた漆原が壁際に弾き飛ばされて失神。

 今も尚、二○一号室では恵美による魔王討伐が続いている。

 鈴乃が『両親』の大喧嘩を耳に入れては教育に悪いとアラス・ラムスをアパートの外に連れ出したところで千穂が現れ、這う這うの体で二○一号室から主を見捨てて逃げ出した芦屋を聴取して発覚した原因は、真奥と恵美の関係を十全に理解している千穂をして、呆れ果てたものだった。

「年頃の女の子が『熊殺し』なんて呼ばれて、喜ぶわけありませんよね?」

「……全くもって、仰る通りです」

 今日の騒ぎは、駒ヶ根の佐々木家で恵美が野生の熊を撃退したことに端を発する。

 駒ヶ根の佐々木家の農地に迷い出て、千穂の親戚達に危害を加えようとした野生のツキノワグマを、恵美が素手で撃退した。

 エンテ・イスラに関わる事柄を知らない千穂の親戚達の目には、信じ難い光景だったはずだが、千穂の親戚達は恵美の立場を慮り、それについて恵美を一切追及せず、その事実を外部に漏らすこともしなかった。

 だが、その一連の流れを語るにあたり、真奥が『熊殺し』という単語を発してしまう。

 どのような運命のいたずらかアラス・ラムスにも伝わっており、この日の日中、アラス・ラムスは無邪気さ故に大好きな『まま』に向かって、

「まま、くまごろし、いや?」

 と言ってしまったのだ。

 この無邪気な娘は、情報源を、

「ぱぱがいってた」

 と正直に明かし、結果、勇者エミリアによる魔王城突撃という大惨事を招いてしまったのだった。

「それで、真奥さんは許してもらえそうなんですか」

「絶対に無理だと思います」

「でしょうね」

 ヴィラ・ローザ笹塚の薄い壁からは、延々と恵美の悪口雑言と真奥が土下座する音が響き続けている。

 恵美自身、熊を倒したこと自体を後悔しているわけではない。

 ただ『母親』として『娘』から『熊殺し』呼ばわりされたくないだけなのだ。

「……どうしたものでしょうね」

「はぁ……」

 思案顔の千穂と、項垂れる芦屋。

 そして。



「すずねーちゃ。くまごろしってなに?」

「あー……ええっと……それはだなぁ……あー、アラス・ラムス、オレンジジュース飲みたくないか?」

「のむ!」

 どんな事態が起こるか分からずつい笹塚駅まで避難してきてしまった鈴乃は、アラス・ラムスの追及を逃れるために、必死の想いで鼻先にニンジンをぶら下げ、気を逸らすのに腐心していたのだった。


         ※


「なんとかして!!」

「な、なんとかって言われても……」

「今朝仕事に入る前から、私が何度アラス・ラムスに『熊殺し』って言われたか、あなた分かる!?」

「い、いや」

「三十八回よ三十八回!!」

「よ、よく数えたな」

「言いやすいのよきっと! 意味も分からず言うもんだから怒るわけにもいかないのよ! 本当、どうしてくれるの!!」

「そ、その、本当にすま……」

「あなたを討伐してどうにかなるんだったら今すぐそっ首刎ね飛ばしてやりたいわ!」

「す、すまん! 本当にすまんっ!!」

「もおおおおおおおおおおお!!!!」

 真奥も自分が悪いことは重々分かっている。

 全く自覚は無いのだが、アラス・ラムスの前ではっきり恵美のことと分かる会話の流れで何かの拍子に『くまごろし』と発音していたのだろう。

 だが一方で、駒ヶ根では真奥の過去の所業や、真奥が農業に従事することについては静かな怒りを湛えつつも特にうるさいことは言わなかったのに、たかだか熊殺しくらいでここまで怒ることないのに、とも思っていたりする。

「あなた、反省してないでしょ!!」

「い、いや、そんなことは!」

「私が農業やることに怒らなかったのに、熊殺しって言われたくらいでうるさいこと言うなよって顔してるわよ!!」

「心読むなよ!!」

「やっぱり思ってるんじゃないの!!」

「だから悪かったって!!」

「心にも無いこと言わないで!」

「どうしろってんだよおおおお!!」

 こんな、ワイバーンも食わない『夫婦喧嘩』をBGMに、

「あ、あの、佐々木さん、こんなもの、一体何に……」

「いいですから、私の言う通りにしてください」

「あ、は、はい……」

「いいですか、私がここに必要なことを書いていきますから、芦屋さんはそれに沿って……」

「……わ、分かりました」

 芦屋は千穂に言われるがままに購入してきたものを不思議そうに眺め、

「すずねーちゃ。ぱぱのところいこう」

「ええっと、アラス・ラムス、りんごジュースはいらんか?」

「もういい」

「あ、アラス・ラムス、このカフェには他にも美味しいものがあってだな!!」

 鈴乃はなんとかアラス・ラムスの注意を引こうと必死で道化を演じ、

「……早く帰れよな……」

 漆原は気絶したふりをして、ずっと二○一号室の畳の上に寝そべっている。

 そうして、恵美が叫び疲れ、真奥が土下座したまま顔を上げなくなり、鈴乃が諦めてアラス・ラムスを連れ帰ってきて、漆原がそのまま本格的に眠りはじめた頃、

「ちょっといいですか」

 千穂と芦屋が、二○一号室に入ってきた。


         ※


「ほら、アラス・ラムスちゃん見て、これなーんだ?」

 千穂が掲げたそれを見て、アラス・ラムスは目を輝かせて叫ぶ。

「うさぎさん!!」

「じゃあこっちは?」

「んっと、んっと、りす!」

「あたりー! じゃあ、これは?」

「わんわ!」

「正解! このおっきいのはなーんだ!」

「くまさん!!」

「よくできましたー!」

 千穂がアラス・ラムスの前に並べたのは、画用紙を切り取り、二つ折りにした動物の人形。

 小さなうさぎ、リス、犬、そして一つだけ大きな熊。

 そして、漆原の勝手な通販で溜まっていた小さな段ボール箱の上に大きく円を描いた画用紙を貼りつけ、うさぎと熊を向い合せるようにして置く。

「お手本見せるね? 私がうさぎさん。ぱぱが、熊さんだよ?」

「ちーねーちゃ、うさぎさん?」

「そうなの。真奥さん、ほら、熊のほうに」

「あ、はい」

 千穂に心なし冷たい声色で指示されるがままに、真奥は熊がいる側に座る。

「はっけよーい、のこった、で二人で一緒に箱をとんとんって叩くの。やってみるね。はっけーよーい、のこった!」

 千穂が指先で箱を連打し、真奥もそれにならって熊側の箱を叩く。

 いくらも叩かないうちに、あっけなく熊が倒れた。

「これが『くまころがし』って遊びだよ」

「くまころだし?」

「そう。くまさんは大きくて強いの。こうやってとんとん叩くと、動物さん達が『おすもう』するの。『おすもう』でつよーいくまさんに勝ったら、小さい動物さん達をいい子いい子してあげてね?」

「うさぎさん、いいこいいこ!」

「あと、くまさんも頑張ったから、くまさんもいい子いい子してあげて?」

「くまさんいいこ!」

「ほら、アラス・ラムスちゃんに褒めてもらって、くまさん元気になった! 今度はアラス・ラムスちゃんが頑張ってくまころがししよう!」

「くまころだし、する!」

「じゃあ、今度は私がくまさんね。真奥さんどいてください」

「あ、ああ」

「アラス・ラムスちゃんは、誰にする?」

「うさぎさん!」

「じゃあ、いくよ。はっけよーい。のこった!」

 千穂の合図で、アラス・ラムスは手加減なしに箱を平手で叩く。

 その衝撃で、熊もうさぎも同時に引っくり返ってしまった。

「ひきわけだー」

「ひひわて?」

「ひきわけのときには、もう一回『おすもう』するんだよ」

「やるー! おすもー! ちーねーちゃくまころだしー」

 千穂の策略にはまり、アラス・ラムスは即席の紙相撲に興じはじめる。

 遊び方を説明する間に千穂は巧みに『熊殺し』の印象を『熊転がし』にすり替え、さらに『紙相撲』という遊びで記憶を上書きし『恵美=熊殺し』の公式を打ち消して見せた。

「み、見事だ……」

 鈴乃はあっという間に事態の根本原因を解決した千穂の技に舌を巻く。

 千穂の作った紙相撲の優秀な点は、熊が他の動物よりも大きく倒れやすい点だ。

 小さい動物は頭よりも足側の幅が広く安定しているのに対し、熊は頭と足の幅がほぼ同じで、画用紙の強度もあいまって非常に倒れやすくなっている。

 おかげで『大きくて強いはずの熊』が比較的負けやすい、つまり転びやすいため、より『熊転がし』という言葉の印象が強くなる。

「やったー」

 千穂と五戦して三勝一敗一分けのアラス・ラムスはご満悦だが、そこでさらに千穂が奥の手を出す。

「それじゃあくまさん、今度はこの人とおすもうしようか」

「あー!」

「ちょっ」

「ぶふっ」

「も、申し訳ございません魔王様……」

「これはしてやられたな」

「……うるさいなぁ……」

 アラス・ラムスは歓声を上げ、真奥は狼狽え、恵美は吹き出し、芦屋は肩を落とし、鈴乃は芦屋を慰め、眠っているところを起こされた漆原は誰にも聞こえないように悪態をつく。

 赤い服に赤い帽子に、黒い髪、頭からは片角を生やし、マントのようなものを羽織っている。

 千穂がクレヨンで簡単に描いたものだが、その単純な線からも誰の紙人形なのかは一目瞭然であった。

「ぱぱだー!」

 千穂が取り出したのは、熊よりもさらに大きく不安定に作られた、真奥の紙人形だったからだ。

「さぁアラス・ラムスちゃん、勝負だよ!」

 アラス・ラムスは嬉々として自陣に熊を設置し、千穂には珍しく悪い笑顔で真奥を横目で見てから、真奥人形を自陣に設置する。

 真奥人形は、立てただけで頭がたわむほど不安定であり、のこったの掛け声と同時にアラス・ラムスが二度土俵を叩いただけで、あっけなく倒れてしまった。

「ぱぱよわーい!」

「うぐっ!!」

 まるで自分のことのようにダメージを受ける真奥を見て、

「何を真剣にショック受けてるのよ」

 と、恵美が笑顔で突っ込みを入れる。

 この瞬間。

 ヴィラ・ローザ笹塚における今宵の『魔王討伐』は終わりを告げたのだった。


         ※


 その後はいつものように、魔王城にて真奥、恵美、千穂、芦屋、漆原、鈴乃、アラス・ラムスの夕食会の流れとなった。

 献立の主役が駒ヶ根佐々木家の野菜であることと、食後に真奥が散々千穂に『熊殺し』の件で絞られたこと以外は、全くいつも通りのヴィラ・ローザ笹塚の夜であった。

 アパートからの帰り、千穂お手製の紙相撲セットをもらったアラス・ラムスは終始ご機嫌であった。

「ほらほらアラス・ラムス。そんなにぎゅーってしたらお人形さんが折れちゃうわよ」

 恵美は、紙人形が入った袋を抱えて離さないアラス・ラムスに微笑みながら、ふと考える。

 駒ヶ根に行くよりも前のことだが、夜、アラス・ラムスが寝た後、たまたまつけていたテレビから流れてきた、真夏のホラードラマ特集番組があった。

 オムニバス形式のそのドラマの中には、紙人形を形代にして、人に呪いをかける話が出てきたのだ。

 そしてアラス・ラムスが抱える紙袋に、真奥の人形が入っている。

「……」

 勇者エミリアの紙人形を作って、紙相撲の土俵で魔王討伐をする。

 それで何が起こるわけでもないが、いつか真奥の討伐を成功させられる願掛けになるのではないかと一瞬は考えた。

 そして、すぐに首を横に振る。

「やめとこ」

『ぱぱ』の紙人形を『まま』の紙人形が常に負かしてしまうようなおもちゃを娘に与えるなど、どう考えても情操教育に悪い影響しか及ぼさない。

「ふふ。あーあ」

 娘に弱いと言われて真剣にショックを受けていた真奥。

 その有様に免じて、恵美は今回のことはこれで不問に付すことに決めてしまった。

 もう少しお灸を据え続けても良かったかも、と思いつつもアラス・ラムスの笑顔を見ていると、そんな邪念もすぐに霧散する。

 そして、すぐさま携帯電話を取り出し、千穂と鈴乃に、大人気なく騒ぎ立ててしまったことを詫びる丁寧なメールを発信したのだった。



─ 了 ─ 

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