こちら、終末停滞委員会。2
第1話『転校生、登場!』 ②
早速新しいクラスメートたちにドン引きされてしまったが、仕方がない。
《あれが……終末『
《
学友の心中を占めるのは、多くが疑惑や恐怖だ。終末が珍しいのだろうか? 確かメフの話だと、協力的な人型終末の多くが
《……
強い敵対心。それは教室の最前列に座る、
《あ? なんだアイツ、アタシのご主人ちゃん
《
Lunaさん、学校を刑務所と同質と捉えてんのか。怖いよ。後でやめさせなければ。
「さて、銃痕について。君はどこまで知ってる? 転校生──
「あ? え? お、俺に聞いてます? 俺を、当ててるんですか?」
「そーだよ」
教師の質問に、感動で涙が出た。教師に問題を当てられている!
《怖っ!》
田中教諭は
「銃痕って、
「その通り。もう
「まだです」
「入学して1~2週間前後で
そんな感じなんだ。普通に楽しみだな。
「銃痕の天使が
田中教諭は、黒板に文字を書き始める。チョークが削れる音にちょっと感動した。
「まず一つ、生存戦略の説。俺達に力を与える事で、自らの安全を確保させている。実際、
それは確かに、かなりありそうな説だ。だとしたらかなり
「もう一つは──それ自体が、終末の持つ
「終末は、強い
田中教諭は、俺の目を
(終末は
俺の終末『
「まあそもそも、
「そうなんですか?」
「そうなんです。銃痕のエネルギー源は所有者の
俺が
「さて、つまり──銃痕はどういう武器になる? 委員長」
委員長と呼ばれた少女──ファム・ティ・ランは、
さっきから俺を
「自分のやりたい事しか出来ない不便な武器、ですよね?」
「その通り。俺が口を
そうなのか? ニャオの『シャムシール』もメフの『
「銃痕は
自分の
《うわ、ダルそ~~~~!》
4時限目の『反現実』の授業が終わった時、俺はヘロヘロになっていた。
(
知らないゲームの裏技を延々と聞かせられるような時間だった。
(……勉強頑張らないとな!)
ラノベ主人公のようになるために! でも頑張るのは勉強だけじゃなくて……。
(──友達作り!)
それって青春の必須事項だ。俺はキョロキョロと辺りを見渡すが、目の合った学友たちは視線を
「ふうん、君が
「え?」
俺に声をかけたのは、髪の毛をきっちりと
「地上人は貧乏で3食ご飯が食べられないって本当かい?」
「え、どうだろ。俺のここ数年は1食だったけど」
「ふん、哀れだねえ。
寮の物置の
(まさかこれ、クラスの嫌味なエリート金持ちにバカにされるイベか!?)
その青年は、傲慢そうな笑みを浮かべながら、バッグから包みを取り出した。
「──良ければこれ、使ってくれ」
「……え?」
「フルクトゥスに来たばかりで、服も無いだろう? 気にしないで良い。それは月末のバザールに寄付する予定のものだったから」
「あ、ありがとう」
普通にいいヤツだった。傲慢そうとか思って申し訳なかった。
「おいテメエ! 転校生!」
次に現れたのは、随分と体格の良い、大きな生徒だ。
「テメエ、終末だからって、自分が俺サマたちと違ェとか思ってんじゃねえだろうなあ?」
(まさかこれ、クラスのガキ大将に転校早々、因縁をふっかけられるイベか!?)
俺は少しだけ身構えた。ガキの頃はよく化け物なんて言われてきたモンだから。
「俺たち、終末だからとか人種がどうとかで、平等じゃなくなるわけじゃあ無ェからよう! なんかで文句つけられたら、この番長の俺サマにいつでも言えよ!」
「えっ」
「これからよろしく頼むぜえ!」
「改めて、僕はアーラヴ。嫌いな者は貧乏人だ」
Theお
「だから、財は平等に与えられるべきだと思って活動している。所得の大きすぎる格差は悲劇を生むからね。一人でも多くの貧乏人はこの世から消えるべきだ」
「俺サマはピアクディ・メン。PMって呼べ。座右の名は
大きな体格の生徒──PMはシャドーボクシングをして俺に拳を向ける。
「本当に大切な物を
「あ、ありがとうございます。俺は……
二人は俺の自己紹介を聞くと、爆笑した。
「あっはっはっはっは!」
バカにされたのかと思って、顔が熱くなる。
「──もう俺サマたち、友達だろ? 敬語なんて使うなよ」
「──ハハ。その他人行儀、寒々しすぎて笑っちゃったよ」
二人は美しい笑顔で、俺の背中を軽く