こちら、終末停滞委員会。2
第1話『転校生、登場!』 ④
「──『
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【
『二倍にする』銃痕。着弾した物質を2つに増やすハンドガン。
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次いで、PMが何も無い
「──いくぜ! 『
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【
『サイズを変える』銃痕。着弾した物質の大きさを変える二丁のミニガン。
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よーいどんの合図は無かった。そんな余裕は、アーラヴとPMには無かったのだ。
「PM!」
アーラヴが銃口を向けた先に居たのは、PMだ。『
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」
PMの4丁の『
「ひゅー! 中々素敵ね。でも、追いつける?」
「
PMが叫ぶ。その瞬間、着弾点の天井がサイズを変える。壁は
「!」
更に、それは一つではなかった。ヌグォイ・ランの貫いた壁や天井の四方5m程度が一瞬で隆起して、まるで巨大な何本かの針のように
「
《空を飛べる
《けれど、飛ぶルートさえ限定できれば!》
PMの作り出した壁の隆起を、更にアーラヴが二倍に増やして密度を上げる。それはまるで迷路のように、
「……ぐぬぬ。邪魔な壁ね! きゃっ!」
「「今!!」」
アーラヴがPMの肩を更に撃つ。8つに増えたミニガンが一斉に
(うおおお!
巨大な壁の針で、
「ジャカジャーン!」
「ぐぉっ」
離れて見ていた俺や、アーラヴとPMの二人も、その衝撃で立っていられない。
「ンー……どーなのかなー、その銃痕。戦闘向きって感じはしないのだわ。ちょっと、遅いかも?
「初学者にありがちなミスね。防御が
「──私がこうしたら、どうするつもりだったの?」
ちょっと待って、と叫ぼうとした。その時には、視界は光に奪われていた。
爆発と衝撃が
神経拡張ケーブルを外した
「あー楽しかったー!
初心者狩りをしたRANK1とは思えないバッドマナーである。
「ちょっ、
「えーだって
今でも頭がクラクラとする。光の速度で肉体を蒸発させられるあの感覚。正直、味わって気分の
「……PMたちは大丈……大丈夫? まじで」
アーラヴとPMはグロッキーになって、うつむいていた。
「あ、あ、あ、あんなの、勝てるわけねえ……」
「超速度で動いてモーション1フレの全体即死技とか調整終わってる……」
銃痕がどうとか、戦略がどうとか、そういう話では無かった。一体どんな武器を持っていたら、今の
「根性ね! 根性が足りないわ! あとちょっと作戦不足じゃない?」
この人、後続を育てるのとか全然向いていない気がする。
「まあ後は……もっと、自分と向き合わないとね?」
「銃痕が
「に、人間を超えるも何も、人間なのですが」
「友情! 努力! 勝利! 頑張れ!」
雑すぎる
「大好きなアニメの一挙放送が始まるから帰るね。楽しかったのだわ、未来の若葉たち! ばいばい~~~~。がんばえ~」
やりたいことだけやって、RANK1の最強少女は亜音速の速度で飛び立っていった。その手に若葉からむしり取った4000円を握りしめて。
「……お、俺サマ少しはなんか出来るのかって。
「……マジで相手にされなかったね。今まで僕たちがやってきた事って何だったんだ」
後には、お
■
「という事があったんですよ」
次の日の早朝、俺は生徒会室に呼び出されていた。注いで
「あはは、
生徒会室の大きな窓からは、今日も青すぎるほどに青い第12地区の空が映し出されている。エリフ会長は
「ランクの話は聞いたんだろう? 三大学園を含めた終末停滞委員会のランキングで、長年トップに君臨しているのは
エリフ生徒会長は、手首の
「RANK10までが、別学園で占められているからねえ」
「人材を育てるのはうちの急務だったりするんだよ。にんともかんとも。両翼はアクが強すぎるし、会長はお飾りだしで、大変じゃぜ」
「──お飾りは、謙遜し過ぎでしょう」
俺の隣に座ったのは、会長の両翼の1人でもある──フォン・シモン先輩だ。