こちら、終末停滞委員会。3
第2話『縛鎖の探偵』 ②
「
『私……この次元の出身なんです……』
「えっ」
『生まれは石川県の、金沢の方なんですけどね……。片町の近くの、公営住宅なんですけどね……。15歳になって、探偵能力が発現して、探偵協会に保護されるまでは……この次元で暮らしていたんです。普通の……とっても普通の女子高生として……』
「それ……だけ? それだけが……理由?」
『──だって、故郷じゃないですか』
探偵は笑った。周囲の人々に強制的に殺人事件を起こさせてしまう、宇宙の不条理そのものは──どこにでも居る少女のように、泣いていた。
『だから……そのために使おうと思ったの……私の……最後……』
探偵の胸を、真っ赤な
「……
俺が叫んで、思わず部屋に入ろうとする。しかし俺の腕を、エリフ会長が握っていた。
『これは……「
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【D-289『
○探偵ランク──B¯(要監視級)
○探偵能力──
◯運用方法──四方をコンクリートで囲まれた部屋に軟禁する。運用する際は、部屋のスピーカーから、対象にする人物の本名を48時間に
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「行っちゃ駄目だ、
「……それはっ」
──俺だってわかっていたさ。だって俺は、彼女の心をずっと見てたんだ。その恐怖が報復に向けられている事を知っていた。逃げられない死を覚悟しているのも知っていた。
『探偵協会は……ゥッ……裏切り者を……ごほっ……許しません……』
『お願いします……エリフ・アナトリア……会長……。私の……故郷を……家族を…………
エリフ会長は、目を見開いて、彼女の死に様を見つめていた。まるで、この光景を脳に焼き付けるように。会長の細い腕は震えていたが、視線は覚悟に染まっていた。
「──約束するよ。君の勇気を無駄にはしない」
探偵は笑った。
『最後の日にね……タイムカプセル……お友達と、埋めたの……。いつか、皆と……集まろうって……。私……私はもう……行けないから……。行けないから……。だか……ら……』
数十本の
「──フォン。聞いていたね」
エリフ会長は──その小ささに信じられない程の強さを秘めた少女は──すでに戦いを始めていた。終末を停滞させるために。託された荷物を運ぶために。
『はい会長。裏は取れました。日本近郊に不審なポータル波を観測していると、
リンフォンから流れるシモン先輩の言葉に、俺は驚く。なんて仕事の早い人なんだ。
「了解。すぐに彼らを招いて……いや、ボク達が赴くべきか。連中、
「
「はい! もちろん!」
俺は
──かくして、