エルフの渡辺
第四章 渡辺風花は教えてくれる ③
「
エルフの
『エルフの真実』という強い
「分かりました」
エルフの
「ちょっと長い話になるし、
「もちろんだよ。ありがとう」
大きな
だが次の瞬間、その心拍数が激烈に増大する事態が発生した。
「あと多分、お話するときは学校じゃなくて、私の家に来てもらうことなるけど、いい?」
「いっ、いいよっ!?」
予想外すぎる申し出に、
「学校からそんなに遠くないから、来てもらえるようになったら、早めに連絡するね」
「う、うん、分かった」
「本当にそんなに待たせたりしないから、もう少しだけコンテスト用の写真撮るの、待ってもらっていい?」
「ああ、それはもちろん……」
「ごめんね」
「だから
全く
エルフ
「それじゃあ、また連絡するね」
そう言うと、エルフの
手伝うと言うべきだったろうか。
エルフの
「こういうとこがきっと、
普通に考えたら手伝う所だったと思う。
エルフの
「……こういうとこだよなぁ」
見過ごしてしまったことをいくら考えたところで仕方がない。
「いい構図だと思ったんだけどな」
一瞬振り向いて、誰もいなくなった花壇を振り返り、ファインダーを
エルフの
柄の長い道具を手にしていたから画角も決めやすく、真剣な表情も相まって現像しなくとも
だが、ファインダーの中の
カメラとファインダーが教える輝く被写体と、写真の出来具合に対する納得感は、必ずしも一致するものではなかった。
もちろんこんなことを本人には言えないし、そもそもこのファインダーの秘密を誰にも話したことはない。
何もない柔らかい地面をファインダーで見ても特に何も起こらず、
部室に戻ると相変わらず新入部員募集用のチラシは減っておらず、当然SNSにも何の連絡もない。
「ま、今はそれどころじゃないんだけど」
部室の時計は既に十八時を回っていた。少し空腹を覚えるが、特に家に連絡をする必要はない。
今日も母は仕事で帰りは夜遅くなるだろう。
「家、かぁ……家かぁ!」
写真部の部室にはそもそも誰もいないし、部室の周りもほとんど人が来ないので、感情が
「家かぁ……!!」
もちろん想像したことはある。
残念ながら、先日の告白まで
それこそ姿勢が
今となってはそれもある程度納得できる。
正体がエルフであるなら、そうそう簡単に自宅や家族のことを話せるはずがない。
「家か……」
普通ならば、
単純に女子のプライベートゾーンに踏み込む緊張とその許可を得た喜び。到着するまでどんな会話をしようかという期待と不安。関係性がより深まるかもしれないという
そんなような色々な意味でポジティブなことでドキドキするイベントのはずだ。
もちろんそれらのことを全く考えていないわけではない。
いないわけではないが、それを圧倒的に
そんなに遠くない、という表現は、普通なら徒歩で十分前後の場所にあるという意味だろうが、極端な話、魔法の力で瞬間移動して日本の外に連れていかれる、という可能性も今となっては全くのゼロではないのだ。
いや、場合によっては日本どころか地球の外まであるかもしれない。
「まぁ、
小学生時代から
「マシか?」
エルフの原典は北欧神話にあるということは既にネットで調べた。
そして北欧と呼ばれる地域で日本語が普遍的に通じる国は存在せず、英語以外の外国語を知らない上に英会話ができるわけでもない
「いや、ないよな。
そう考える頼りない根拠はエルフの
のり弁とから揚げとポテサラ。
多分、大量に何かを食べようと思ったときあの和風の重箱にあの内容の食べ物を詰め込む文化は北欧にはあるまい。
それはそれとしてリンゴの
「となると……あとは、ご家族か……」
女子の家で家族に会う、というのもなかなか緊張するイベントだ。
これに関してはある意味家の場所よりもよほど現実的に不安が大きい。
ごくごく当たり前のことだが、子どもがエルフなら、親だってエルフだろう。
『大人になった
「っ!」