エルフの渡辺
第五章 渡辺風花は日本人の苗字に詳しい ⑤
その上、この見通しの良い草原。浮遊監獄島なる場所にどんな生き物がいるのか全く想像できないが、直前に見せられた虹色ムカデが
この草原は明らかに人の文明の外としか思えず、どんな野生動物がいるか分からない以上、気絶した人間を抱えてここで立ち往生していても全く
「ど、どどっど、どうすれば……」
「何か野生動物でも出たら写真に撮ればいいんじゃない?」
「そ、そんな悠長な! っていうか!」
「俺ほど慌ててないけど、もしかして
「まぁね。正直、あんまり気が進まないんだけど」
あっさりと認めた
「あそこに見える森、あるでしょ。あそこにサン・アルフの村があるの。私も何度か行ったことがあるから、あそこに行けば助けてもらえると思う」
「な、何だ。このあたりの地理を知ってるならそんな慌てることないじゃないか。何で気が進まないんだよ」
「センパイのカメラの存在。
「それは仕方ないよ。こうなった以上俺もこのカメラが何なのか知りたいし、エルフの人達に調べられるなら調べてほしい。多少怒られるくらいもまぁ、仕方ないよ」
「あともう一つ。あそこまで行けば間違いなく日本というか、
ここに来て
「私、昔からあんまり好かれてない気がするんだよね。今回のことのせいで
「どういうこと? エルフの……サン・アルフの偉い人とかなの?」
「偉いとかじゃなく、私やセンパイにとってはもっと重要なことがある」
「あの森の村で私達が助けを求める相手、