年下の女性教官に今日も叱っていただけた2

第6話 女性教官を裏切らせていただいた①

 島での俺たちの生活が始まった。

 最初に島の衣服が支給され、着替えた後は男たちの仕事を教えてもらった。木を斧で伐採するのは知っていたが、他にも石材を切り出したり、鉱石を採掘したりするらしい。

 また、島の至るところに仕掛けてある罠を見て回り、かかっている動物や魔物を仕留めていった。


 この島における労働はすべて男の役目なのだが、リリアさんは「ジッとしていると体が鈍るので」と言って、俺たちに同行することになった。おそらくだが、島を見て回り、情報収集しているんだと思う。

 シエラさんも同じく働く必要はないのだが、「レオンちゃんが危ない目に遭わないように守らなきゃ!」と言ってくっついてきた。


 島の女性たちはそんな2人を「物好き」とか「男に媚を売ってる」などと評していた。

 一方、男たちは「天使」とか「女神」などと噂していた。

 フィオナさんはというと、「働かなくていいならウチは働かない」と宣言し、集落に残った。そして昼休憩で集落に戻ると、島の女性たちが爪や髪に変な装飾をしたり、やたらメイクを濃くしたりしていた。

「みんなにギャルメイク教えたった」

 新たな文化を島に広めていた。


「あとさ、午後は男総出で映えスイーツ作ってよ。女の命令は絶対なんしょ?」

 ニヤニヤ笑いを浮かべ、与えられた権利を最大限に活用しようとするフィオナさん。

 こうして俺たちは、午後は島にある食材でタピオカやクレープを作れないか試行錯誤することになった。

 この調子でいくと、いずれ島民全員がギャルになってしまうのでは……?


 やがて夜になったのだが、夕食後、シエラさんからとんでもない提案をされた。

「レオンちゃん、今日はママと一緒に入りまちょうね〜」

 我が耳を疑った。

 まさか、俺と混浴してくれるというのか……?

 いや、でも、そんなことをリリアさんが許してくれるはずが――

「非常に不本意ですが、レオンさんがシエラさんを襲わないか、わたしも一緒に入って見張らせてもらいます」

「混浴してもいいんですか!?」

「この島の特殊な状況により、特別に認めます」

「特殊な状況……?」


 何のことだろう……? 皆目見当が付かない。

 あと今気付いたのだが、少し離れたところにいるエルミノーラさんが、なぜかこっちを見て悔しそうにしている。何かあったのだろうか?


「……どうせ後で記憶を消しますし」

 混乱していると、リリアさんが意味不明なことをつぶやいた。

「記憶消すなら、ウチだけ仲間外れはヤダし、一緒に入るかな……」

 と、フィオナさんまでもが混浴を表明した。

 いったい何が起きているんだ? わけがわからない。俺は今日死ぬのか?


 というか、リリアさんもフィオナさんも、俺の記憶を自在に消せることを前提に話しているのだが、いったいどういうことなんだ? ひょっとして、何か薬を盛るつもりなのか?

 一抹の不安を覚えたものの、混浴を断る理由になどなり得ない。俺はルンルン気分で、海岸にあるという温泉に向かった。


 そこは岩山に囲まれた温泉で、脱衣所はなかったので、男女分かれて岩陰で服を脱ぐ。

 すぐさま全裸になった俺は、先に温泉に入って女性陣の入浴を待つことになった。

 これから起きる事象への期待に胸を高鳴らせていると、大岩の向こうからシエラさんが姿を現した。


 シエラさんは体を一切隠しておらず、女体のすべてが丸見えだった。


「うおおおおっ!!」

 思わず歓喜の叫びを上げてしまった。

 シエラさんの体は勇者候補生として鍛え上げられており、完璧なプロポーションだった。しかもその全部を、惜しげもなく披露してくれている。


「ちょっ!! いいんちょ!! 裸隠しなよっ!!」

 バスタオル1枚のフィオナさんが慌てて追いかけてきてタオルを渡そうとしたが、シエラさんは固辞する。

「私はママ力が覚醒したので、レオンちゃんの前で隠す必要はないんです」

「何わけわかんないこと言い出してんの!?」


 シエラさんは理解不能なことを言い、フィオナさんを困惑させた。

 ママ力が何なのかは知らないが、最高すぎる……!!

 無防備な裸体のすべてを、ありがたく脳裏に焼き付けさせていただいた。


「……まぁ、後で記憶を消しますし、好きにさせたらいいでしょう」

 女性特有の部位3点を凝視していると、最後にリリアさんが姿を現した。フィオナさんと同じで、バスタオル1枚だけを身に纏った刺激的な格好だ。

 しかし、その真横に生まれたままの姿のシエラさんがいるせいで、あまりエロさを感じない。不可思議すぎる感覚で、俺はもうどうにかなってしまいそうだ。

 とにかく今はシエラさんをガン見しておこう。


 その後、リリアさんたち3人も温泉に入ったのだが、俺はお湯の中に沈んだシエラさんの裸体を注視することに全神経を集中する。

「……レオンっちさ、いくらなんでも、いいんちょのこと見すぎじゃね?」

 フィオナさんが苦言を呈してきた。


 それに対し、シエラさんがにこやかに言う。

「そんなの当たり前です。レオンちゃんはママが一番好きで、ずっとママを見てたいってことなんですから」

「そ、そうです」

「いや嘘つくなし! ただおっぱい見たいだけだろ!」

「赤ちゃんなんだから、ママのおっぱいが好きなのは当然のことです」

「ダメだこいつら! 2人とも倫理観が終わってる!」

 フィオナさんが頭を抱えて絶叫した。


 だがその後、フィオナさんはギリギリ聞き取れないくらいの声量で何かをつぶやきだした。

「……どうしよっかな……。どうせ記憶を消すんだし……うん……」

 すると、それから30秒くらい経ったタイミングで、フィオナさんが突然、俺の視線の先に仁王立ちした。


 バスタオルが肌に張り付いている上、微妙に透けていてものすごくエロい……!!

「……レオンっち、見せてあげよっか?」

 やけに顔を赤くしたフィオナさんが、謎の質問をしてきた。