年下の女性教官に今日も叱っていただけた2
第6話 女性教官を裏切らせていただいた②
「? 見せるって、何をですか?」
「ウチの裸」
「はっ……!?」
「レオンっちが見たいって言うなら、このバスタオル、外してあげるけど――」
「見たいです!!」
「ウケる。即答じゃん」
フィオナさんは照れ笑いを浮かべた。
かと思うと、決意を固めたような表情になり――体に巻き付けているバスタオルを一気に解き放った。
その瞬間、フィオナさんの異性に見せてはいけない秘密の部分が、すべて露わになった。
「うおおおおっ!!」
またしても俺は歓声を上げずにはいられなかった。フィオナさんの体も鍛え上げられており、非常に均整が取れていたのだ。
その美しい裸体に、俺の目は釘付けになる。
真っ白い膨らみと、薄桃色の突先。引き締まったウエストと可愛らしいおへそ。そして何より、その真下にある神々しい割れ目……。
「――はい、おしまい」
顔を耳まで真っ赤にしたフィオナさんが、バスタオルを巻き直してお湯の中にしゃがみ込んだ。
非常に短い時間ではあったが、じっくりと観察させていただいた。男に生まれて良かった……。
「この感動は一生忘れません……!!」
「一生どころか、数十分後には全部忘れるんだけどね」
フィオナさんが照れ笑いを浮かべながら言った。その背後ではリリアさんが呆れ顔になっている。
「フィオナさん……いったい何をしているんですか……」
「えへへ。一度こういうのやってみたかったんだよね。リリアせんせーもそういうこと考えたことない?」
「ないです」
「フィオナさん。一度と言わず、何度でもやってください。俺は大歓迎ですから」
「レオンっちは本当にエロいことを隠そうとしないよね。そういうところ、だんだん可愛く見えてきた」
「そ、そうですか? へへへ……」
「……レオンさんとシエラさんは明らかに常軌を逸していますが、フィオナさんも大概ですよね。なんか教官を辞めたくなってきました……」
自分のクラスの生徒3人に問題が多すぎるせいか、リリアさんが教官としての自信を失いつつあった。
S S S
こうして俺たち4人は、徐々にこの島の暮らしに順応していった。
男は朝5時に叩き起こされ、体力の限界まで肉体労働や危険な仕事をする。食事はもちろん女性たちの残飯である。
朝6時くらいになると、リリアさんとシエラさんも男の仕事場に姿を現し、力仕事や魔物討伐を手伝ってくれる。
そうして日が暮れるまで働き、くたくたになった後は、海辺にあるという露天風呂に入る……はずなのだが……。
なぜか俺は、風呂に入っている記憶がまったくない。リリアさんたちいわく、毎日ちゃんと風呂に入っているそうなのだが、なんで何も思い出せないのか……。
そんな不可思議な日々を送り始めて、10日目。
12時過ぎになり、いつものように俺が地面に腰を下ろして残飯を食べていると、何の前触れもなくエヴァンジェシカさんが現れた。
一緒に食事をしていた男たちが頭を下げる中、エヴァンジェシカさんが告げる。
「――石コロ。その足枷を外すことを許可するわ」
言うが早いか、足枷の鍵を投げてよこした。
「いいんですか?」
「ええ。石コロとリリアとシエラはよく働いてくれている。フィオナは好き勝手しているだけだけど、何かを企んでいる様子はない。信頼して、本当の家族として受け入れることにしたのよ」
エヴァンジェシカさんは柔和な笑みを浮かべながら続ける。
「リリアたちの足枷も、すでに外したわ。今日から4人は自由よ」
「それは良かったです」
俺は会釈した後、鍵を拾って足枷を外した。体が一気に軽くなったのを感じた。
「信頼していただき、ありがとうございます」
「いえ、お礼を言うのはこっちの方よ。エルミノーラから聞いたけど、石コロは普通の男5人分の働きをしているそうね。島の発展に貢献してくれて、ありがとう」
「もったいないお言葉です」
まさかエヴァンジェシカさんに褒めてもらえる日がくるなんて、夢にも思わなかった。
「ところで石コロ。話は変わるんだけど、リリアとシエラとフィオナのことをどう思っているの?」
「へっ? どう……とは?」
「エルミノーラが愚痴っていたのよ。石コロをお風呂に誘いたいのに、3人がずっと先まで予約しているせいで実現しないって」
「エルミノーラさんが、俺と一緒にお風呂に入りたい……!?」
「ああ、そうか。ワタシが命を狙わないようにするため、お風呂に関する記憶は全部消去したんだったわね」
「記憶を消去……?」
「最初に聞きたいんだけど、石コロは毎晩、リリアとシエラとフィオナの3人と混浴していることは知っている?」
「――はいいいいっ!?」
俺が3人と混浴!? いったいどういうことなんだ!?
「そう。やっぱり毎日記憶を消去されているのね」
「あの……話が突飛すぎてまったく意味が……」
「アナタ、リリアの命令なら、絶対に遂行するように躾けられているでしょう? その特性を利用して、記憶を消されているのよ」
「ええっ……?」
記憶を……消されている……?
「そんなことが可能なんですか……?」
「ワタシも信じられなかったけど、石コロのリアクションを見るかぎり、本当にできているとしか考えられないのよね」
「にわかには信じられないです……」
「それはこっちのセリフなんだけどね」
何ともいえない表情で俺を見るエヴァンジェシカさん。もし彼女の話が本当なら、この島に来てから不自然に記憶が欠落していることにも説明がつく。
いや、そういえば……。島に来る前にも、夜自室で寝たはずなのに、目が覚めたらいきなり昼過ぎになっていて、しかもなぜか教官用の風呂で寝ていたこともあったな……。
もしかして、あの頃から記憶操作をされていた……!?
「いくら操り人形とはいえ、記憶を奪うのはやり過ぎだと思うのよね。そこでね石コロ、ちょっと提案があるんだけど――」
S S S
その日の夜。リリアさんとシエラさんとフィオナさんの3人は、さも当然のように俺と一緒に海岸の露天風呂へ向かった。
そして温泉に浸かってドキドキしていると、シエラさんとフィオナさんが現れた。
2人は当然のように全裸だった。
信じられない光景だった。2人はその美しい裸体を一切隠していない。
視線を高速で行き来させ、2人の秘所を見比べる。
なんということだ。やはりこの島は楽園。理想郷だったのだ。
目の前の素晴らしい景色を網膜に焼き付けながら、頭の片隅で考える。シエラさんもフィオナさんも、俺と混浴するのが初めてという感じではない。やはり、俺の記憶を消去しているというのは本当だったのだ。
それにしても、こんなすごい光景を何度も見ておきながら、何も覚えていないなんて、信じられない。
少し遅れてリリアさんも姿を現したが、残念ながらその体には白いバスタオルが巻かれていた。
3人はかけ湯をした後、お湯の中に身を沈める。
そしてリリアさんは俺たちを見回し、口を開いた。
「皆さん、わかっていますよね? 足枷を外してもらえたことですし、明日の早朝、この島から脱出します」
「――えええええっ!?」
「あはは。レオンっち毎日驚くのウケる」
叫び声を上げた俺を見て、全裸のフィオナさんが無邪気に笑った。
「毎日……?」
「ここなら他の人に聞かれないから、毎日お風呂で脱出についての作戦会議をしてるんだよ。でもレオンっちは毎日記憶を消されてるから、毎回新鮮なリアクションするの」
フィオナさんは嘲笑まじりに言った。
どうやら3人は、記憶消去のことを隠すつもりがないようだ。きっと、この会話もすぐに忘れると思っているのだろう。でなければ、シエラさんはともかく、フィオナさんが全裸を晒すわけがない。
俺はお湯の中に沈む2人の裸の胸を盗み見ながら、昼にエヴァンジェシカ様から言われたことを思い出した――
S S S



