年下の女性教官に今日も叱っていただけた2
第6話 女性教官を裏切らせていただいた④
その後、何とか寝室に戻って服を手に入れた俺は、タイムロスになるとわかりつつも、いったんトイレに行ってスッキリすることにした。
さっき温泉で見た光景が衝撃的すぎて、このままでは悶々とし続けてしまうからな。
そしてすぐに賢者タイムになった俺は、エヴァンジェシカ様の私室がある建物の前にやって来た。
地面にひざまずき、ドアに呼びかける。
「――エヴァンジェシカ様。リリアさんから脱出計画の内容を聞いて参りました」
すぐにエヴァンジェシカ様が現れたので、俺は計画を話した。
「そう。南の海岸に舟が……」
「俺が破壊してきますか?」
「いえ、そこでリリアが待ち構えている可能性があるわ。石コロは命令されたら抗えないし、そのまま連れ去られてしまう危険がある」
「たしかに……」
「大丈夫、男たちを向かわせるわ」
「でも、リリアさんは強敵ですよ?」
「こちらの狙いはリリアじゃなく、舟の破壊よ。おそらく木製でしょうから、誰か1人がたいまつを投げるだけで完了するわ」
「さすがエヴァンジェシカ様」
「石コロは舟の破壊が済むまで、ワタシと共に来なさい」
「承知しました」
エヴァンジェシカ様はすぐさま行動を開始。側近たちに指示を出し、男たちを南の海岸に向かわせた。
これでいいんだ。俺はこの島に残り、エヴァンジェシカ様に仕えて幸せな日々を送る――
「コラァアアアアッ!! レオンっちーっ!!」
突然、猛獣のような叫び声が周囲に響き渡った。
直後、いきり立ったフィオナさんが姿を現す。
「なんでウチらを裏切ったの!!」
信じられないくらいキレていた。
「そ――」
「言い訳しなくても大体わかってるけどね!! どうせこの島に残れば色んな女の子とイチャイチャできるって言われたんでしょ!!」
「……その通りです」
「ホントにエロいことしか考えてねーな!!」
「フィオナさんもこの島で暮らしましょう。面倒なことは全部俺たち男がやりますから、毎日遊んでいるだけでいいんですよ?」
「……たしかにそれ、ウチもリリアせんせーに脱出計画を聞いた時にちょっとだけ考えたんだよね」
「それなら……」
「でもさ、この島って退屈じゃね? 映えるものぜんぜんないし」
「映えるものなら、俺たちに命じて作らせればいいじゃないですか」
「いや、ウチが思う映えるものって、でっかいドラゴンとかだから」
「それは……ちょっとどうしようもないですね」
「あとウチ、勇者になって世界中を回って、写真撮りまくるって夢あるし。しばらくバカンスを楽しんだから、そろそろ帰るわ」
「……わかりました。では、俺のことは置いていってください。俺はこの島でハーレム生活を送るので」
「はぁ? ダメに決まってんじゃん。レオンっちはウチの彼ピ(仮)なんだから、連れてくっつの」
「じゃあ、関係は解消ということで」
「そんなのは認めない。レオンっちはウチのものだから、誰にも渡さない」
「横暴ですね」
「口答えするなら、レオンっちが半裸で木に縛られてる写真、クラスの女子に見せるよ」
「構いません。俺はもう学校には戻らないんですから」
いや、本当は差し支えありまくるのだが、もうフィオナさんが握っている弱みに価値はないのだと思わせなければならない。
「……レオンっち、本気で言ってんの?」
「もちろんです」
「……わかった。納得したよ。そこまで言うなら、両手両足を縛って連れて帰る」
「ぜんぜん納得してないですね!!」
だがフィオナさんは本気らしく、服を一気にずり下げた。
フィオナさんはブラジャーを着けておらず、形のいい胸がポロリした。
「これでレオンっちは一気に弱体化して、ウチの攻撃を避けられないはず!」
フィオナさんが叫びつつ、縄だけを持って突進してくる。
まさかここまで、恥も外聞もかなぐり捨てる決心をするとは――!!
驚愕しつつ、俺はフィオナさんの胸部に釘付けになる。
さっき温泉でたっぷり見せてもらったばかりなのだが、フィオナさんの動きに合わせて大きく上下運動しており、注視せずにはいられなかったのだ。
「――やれやれ。手のかかる奴隷ですね」
フィオナさんが俺の体を捕らえそうになった刹那、間にエヴァンジェシカ様が割って入ってきた。
「フィオナ、相手になってあげるわ。こう見えてワタシ、結構強いのよ」
「ハッ! ウチだって勇者候補生の端くれなんだから、負けるわけないじゃん!」
フィオナさんは胸を露わにしたまま応戦する。これは目が離せない。
エヴァンジェシカ様はさすがに刃物は使えないと思ったらしく、素手でフィオナさんを拘束しようとする。
一方のフィオナさんも抜剣はせず、縄を握り締めながらそれを迎え撃つのだが――
「ちなみにねフィオナ、男たちには南の海岸で舟を燃やした後、ここに戻ってくるよう命じているのよ」
「――えっ、マジ?」
「本当よ。早く胸をしまった方がいいんじゃない?」
「くっ……!!」
フィオナさんは悔しそうに呻いた後、服を元に戻してしまった。
「おっぱいを出せないんじゃ、ウチ1人でレオンっちを捕獲するのは無理っぽいね……それなら!」
フィオナさんは冷静に戦況を分析した直後、背を向けて逃げていった。
「南の海岸に助けを呼びに行ったのでしょう。男たちに命じた舟の破壊はどうなったでしょうか」
「様子を見に行きますか?」
「そうですね。ただ、石コロはリリアに命令されないよう、常に耳を塞いでいてください」
「承知しました」
S S S



