4:2024年 台湾サイン会のお礼SS
シェア・ライデンとクレナとフレデリカ
会場入り口で売っていた焼き菓子の、甘い匂いにフレデリカとクレナが足を止めてライデンは菓子というにはずいぶんと精緻な形状に興味を惹かれて、一袋買って三人で分ける。
長身のライデンが、クレナはともかくまだ小柄なフレデリカとシェアすると、ちょっと腰が辛いのだがそれはさておき。
「おお、外はさっくり、中はふわふわじゃ! それに見よクレナ、これはバラの花じゃぞ! それも中心はハート形じゃ!」
「こっちはハイヒールだよフレデリカ。ライデンのは汽車かな?」
「だろうな。……こんな細かい造形まで再現できるのすげえな。型どうなってんだろうな」
二種類入っている焼き菓子のうち、ココア味の方を矯めつ眇めつしつつ感心しきりのライデンに。
果たしてフレデリカとクレナは、なにやらものすごく気を削がれた顔をした。
「……ライデンは無粋じゃのぅ」
「今そこじゃないでしょライデン」
「なんでだよ!?」
少女二人の理不尽に、ライデンは呻いた。



