第1話 …俺ぇ!? ④
自分にはこんなことできないし、経験も積んでいるんだろうと思う。
それに……、
「うわ、もう二百人……。これ、相当人気じゃね? 高校生でこれだけ集められるって、マジですげえんじゃないのか?」
俺はそこそこ、生配信を見る方だと思う。
有名YouTuberもVTuberも好きだし、音楽系の配信を見るのも好きだ。
そういう大手やプロの配信者には
……いやマジですげえよ。
有名人じゃん、
そして──気になることがもう一つ。
「……好きな人、いたのか……」
……そうだ。
放送の中で、サキがさらっと言っていたこと。
この春好きな人ができた、という話。
「……全然、気付かなかったなあ。どんな男子なんだろ」
背もたれに体重を預けて、俺は考えてみる。
「
一応、共通の知り合いは何人かいる。図書委員の面々や、関わってくれている先生たち。
だけど……うーん、特にそんな感じのやつはいなかった気がするけどな。
『──ということで、
配信の向こうで、ちょうどサキも自分の
『あの、わたしも今日、それで失敗しちゃって……』
「あはは、
思わず、一人部屋で笑ってしまう。
なんとなく、そのシーンは想像できる気がした。
……うん、やりそうだ。
あいつなら、好きな相手にそういうことしでかしそう。
『はあ……なんでわたし、断っちゃったんだろ』
スマホの向こうでは、相変わらずサキが自分の失敗を
『あのとき、
「ん……?」
──そのセリフに。サキの言葉に、俺はひっかかりを覚えた。
……
……
なんだか、身に覚えが……。
そして──
まさかの展開の予兆を感じ取り始めた俺に──。
サキは、
『──せっかく、
……
……
……つまり、それって……。
「──俺ぇ!?」
──そう
深夜の自室に短く



