モテない俺はマチアプで異世界彼女を召喚する

3章5話

 エロゲーだとバレてしまい、orzになっていた俺に、ユーノゥが言った。


「ご、ごめんなさい……勝手に見ちゃって。ダメでしたか……?」


「……いや。ユーノゥはなにも悪くない、悪いのは俺だ」


 異世界にもゲームは存在するようだが、PCゲームまではないようなので、高をくくってしまった。油断した俺の責任だ。


「あ、あの……どうして、アラタさんが悪いことになるんでしょう……?」


「……キミがそのゲームを見て、俺に幻滅したかもしれないと思って」


「幻滅……? エッチの教材かなって思ってただけですけど……」


 ……えっと?


「教材って?」


「私の国の性教育には、ゲーム形式で学べるものもあるんです。キャラクターを操作してエッチを学べるんですけど、アラタさんも勉強していたんでしょうか?」


「その通りだ」


『orzからの立ち直りが早いですね。現金ではありますが、グダグダして時間を費やすよりはマシですのでなにも言いません』


 言ってるようなものだろ。


 ユーノゥの態度からは、エロゲーに対する偏見は見受けられない。それどころか好意的に受け入れていた。


 マーリィとパティアには、さすがにエロゲーであることまでは隠していたけど、それすら必要ないらしい。


 まさしく理想の彼女じゃないか……!


「じゃあアラタさんは、エッチに詳しいんですね。私と違って知識だけ持ってるんじゃなくて、ちゃんと経験もしてるんですよね?」


「その通りだ」


『見栄を張らないでください』


 正直に言ったらそれこそユーノゥに幻滅されるだろ! この人ほんとにエッチを教えることできるの? 実はドーテーなんじゃ? って不安にさせるだけだろ!


「エッチに詳しいアラタさんなら、私の悩みを解決してくれる……私にエッチなコトいろいろ教えてくれる……えへ、嬉しい……」


 無邪気な微笑みがまぶしすぎる……今度は俺が、ユーノゥと目を合わせられなくなりそうだ。


「じゃあ、アラタさん……教えてもらっていいですか……? は、恥ずかしくても……私、がんばりますから……アラタさんの言うこと、なんでも聞きますから……」


 今、なんでもって言った?


『マスター、過程過程』


 俺がなにも答えてないうちからツッコミを入れるな。


「……ユーノゥ。ではこの俺が、先生としてキミにレッスンをしてあげよう」


「はい……! エッチなレッスン、お願いします!」


『過程過程』


 わかってるから黙ってくれる? エッチなレッスンって単語だけで誘惑に負けそうになるけどさ?


「ユーノゥ。それじゃあこれから、俺と一緒にデートしよう」


「……デート?」


 ユーノゥはかわいらしく小首をかしげた。


「デートというのは……異性と遊びに出かけることですよね?」


「そうだな」


 まあ同性だってデートになる場合もあるだろうけど。


「えっと……出かけた先で、エッチなレッスンをしてくれるってことですか?」


「い、いや、そうじゃない。そういう行為はひとまず置いといて、ふたりで一緒に遊ぼうって意味だよ」


 ユーノゥはかわいらしく頬を膨らませた。


「私は……遊ぶよりも、アラタさんとエッチしたいです。早く……エッチなコト、教えて欲しいです」


 それから胸の前で両手を組み、懇願するような上目遣いをした。


「ダメ……ですか?」


 その体勢のせいで、胸の谷間がとんでもなく強調されていた。


 これは一種の攻撃だった。


 致命的なダメージだった場合、俺は鼻血を噴くだろう。


 その直後に我を失い、押し倒すだろう。


『過程過程』


 わかってんだよ! どんなダメージを受けても俺は負けない! 修羅の道を行くことはとっくに決めている……!


「……なあユーノゥ。ひとつ、大切な確認がある」


「な、なんでしょう?」


「キミは、好きな相手とエッチするのと、好きでもなんでもない相手とエッチするの……どちらがいい?」


 ユーノゥはきょとんとしながら、当たり前のように言った。


「それなら、好きな相手のほうがいいに決まってます。私は、優しく相談に乗ってくれるアラタさんが好きだから……エッチしたいって思えるんです」


 俺は、心の底から安堵した。


「だったらやっぱり、デートしよう。これもレッスンのうちだからさ」


 ユーノゥのその好きを、恋へと成長させるために。