織田ブリュンヒルド信長は天下のナナメ上を征く
第零章『金を借りてまでやりたいことがある奴の下に自然と人と金が集まる』 ④
「い、今手元にはこれだけしかお金がなくて……あの〜〜〜シャルロットお姉さま?」
「貸さないっ! もうアンタにはビタ一文貸さないのだわ!」
ろくな担保も持っていないブリュンヒルドだが、
「……お金は返さないとダメだろう」
「ダメですよねえ。反省はしているんですよ」
「……あと、物を買う時は代金を用意すべきだ」
「『欲しいと思った時が買い時』って言うじゃないですか」
テヘヘ、と笑うブリュンヒルドに
「し、しっかりしてください! カッコ良かったですよ! まあ、シャルロットとは気心知れた仲なので最悪地べたに額を
「あぁ───っ! もう! わかってるからいちいち思い出させるなぁっ! 恥ずかしい!」
昨今、武将や大商人として男以上に活躍する
「さあ! あたしと一緒に来てもらうのだわ! 安心しなさい! ただのコンカフェだから! 前みたいにカモにされている客とお客のつかない女の子を
「軍って……あれ冗談じゃなかったのか……」
コンカフェ解雇事件の真相は
「待った! コンカフェは健全な商売だと働く者と通う者は言うけれど、本当に健全な商売なら
「うるさいのかしら! だったらお前が内臓でも売って金を用意するかしら!」
「わかり申した! 好きなものを持っていってくだされ!」
と言うと
「わ────っ! わ────っ!
「お止めくださるな! 拙者の身も心も姫さまのもの! この
魔法も南蛮文化もあるこの時代だが、さすがに臓器売買は行われていない。シャルロットも売り言葉に買い言葉のつもりだったので困り果て、助けを求めるように
「俺にどうしろと……」
「こっちも
シャルロットは肘で
「わかった。着物の代金とシャルロットからの借金。俺が支払おう」
「えっ……ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!」
ブリュンヒルドが素っ頓狂な叫び声を上げるが、
「マジかしら……言ってみるものだわ……」
渡された黄金色の小判を見つめながらシャルロットはうっとりとした声を漏らす。一瞬で借金まみれから
「このスケベ侍! 金を払えば姫さまの身も心も好きにできると思っているでござるか!? これだけは言わせてもらうでござるよ……その先に本当の愛なんてない」
「人聞き悪いこと言うな! これは、その、あれだ。
「見た目が良くて腕っぷしも強くて、しかもお金持ちだなんて……お兄さんちょっと完璧すぎません? 完璧すぎるキャラは読者の共感を損ないますからもうちょっと控えて」
「うるさいな! その完璧すぎる俺がいなければ、お前なんて借金まみれの触手まみれでコンカフェ行きだったんだからな! とにかく、お前の借金は俺が払う! だが恩に着せるつもりはない! これからも堂々と自由に歌って舞い踊れ! その姿を見せてもらえれば十分だ!」
半ば
「改めて見るとなかなか
ポン、とブリュンヒルドの肩を
「あの……ありがとうございました、その、さっきはああ言いましたけど、お金はちゃんと返しますので……時間はかかるかもですけど」
「だから、そのつもりはないと」
「ちゃんと返します! シャルロットは身内ですから多少迷惑かけてもご
「自分で言うな。絶対多少じゃないだろ」
「まあ、それはさておいて……借金の利息代わりに身の回りのお世話いたしましょうか? お
ブリュンヒルドなりに献身的な提案を示したが、
「ありがたい話だが、俺は
「旅人、なんですか? 仕官もしていない? なのにどうしてあんな大金を?」
ブリュンヒルドの仕草と見た目の良さはたしかに
「俺は魔法指南役。つまりお前のような
「魔法……指南役……じゃあ旅をしているのは各地の
「そんな大それたものじゃない。ただ、少しでも多くの
「正しい……ですか?
「
そう言い切った後、少し間を置いて
「いや……今のはちょっとアレだったな。忘れて」
「先生────」
「へっ…………いっ!?」
ブリュンヒルドが
「感動しました! この乱世にそんな素敵な理由で働く人がいるなんて!」
瞳の中に満天の星を蓄えて放つ憧れを見る目。その輝きを前に
「決めました! 私をどうか弟子にしてください!」
「弟子……ああ、魔法の指南か。別に構わないが順番待ちになっていて」
「そうじゃありません! 魔法を教えてもらってサヨナラじゃつれなさすぎるじゃないですか! もっとちゃんと、先生の魔法指南の旅に関わりたいんです! どうか弟子として旅のお供に連れて行ってください!」
ズイッ、と一歩前に進んだ彼女は無自覚に
「えぇっ!? いや、これはイカンて……」
「ダ、ダメなんですか!? 私、なんでもしますよ! なんだってしますから!」
さらに柔らかな感触に包まれる
「姫さま! うら若き少女が『なんでもする』なんて口走ってはなりませぬ! ここぞとばかりに『ん? なんでもって言った?』とコメが大変なことになりますぞ!」
(米がどう大変になるのかわからんがナイス
割って入ってきた



