学年で一番かわいい星ヶ崎さんと友だちになったら毎日密着が止まらない
第一話 星ヶ崎さんと出会い ⑥
センスのいいオシャレな壁紙を背景にした、とても俺のと同じものには見えないLIMEの画面。
そういえば友だち1000人いるっていう噂だったけど……
好奇心からもう少しだけ覗きこんでみる。
すると俺の視線の隅に飛びこんできた数字は……「1」だった。
ほら見ろ、やっぱり1000人……
「……あれ……?」
おかしい。
その後の0が見当たらない。
見えているのは「1」だけで、それ以外に何もない。え、どういうこと……?
「……あのさ、星ヶ崎さん。スマホ、もう一台持ってたりする?」
「え、これだけだよ? そんなお金ないよ〜」
「……」
ということは、まさかとは思うのだけれど……
「え、じゃあ、連絡先交換するのって、俺が初めて……?」
その言葉に、星ヶ崎さんがずーんと沈んだ表情になる。
「……だって、わたし、友だち、いないから……」
「あ、いや、だけど……」
あれだけ目立っていつもクラスメイトたちに囲まれているのだから、一人くらいは連絡先交換を申しこまれたり、クラスのグループチャットに誘われたりしないものなのか……?
「……し、しないよぉ……わ、わたしだって楽しみにしてたのに……いつ誘われても一秒で対応できるようにずっとウェルカムで待ってたのに……」
「……」
高嶺の花すぎると、逆にだれも訊けないってやつなのか……?
そもそも下草極まりない俺には何もわからないのだけれど。
「だ、だから、こうやって連絡先を交換するのもけーくんが初めてなんだ。え、えへへ〜、わたしの初めての人、けーくん……♪」
「言い方……あと、いつの間に名前呼びに……?」
「え、だって友だちは名前で呼び合うものじゃないの? あ、けーちゃんとか、けーぴとかの方が──」
「普通にけーくんでお願いします!」
こうして晴れて、俺と星ヶ崎さんの友だち登録が、「0」から「1」になったのだった。
第二話へ
☆
〝友だち〟とは、夜空に光る星のようなものだ。
美しく、きらびやかで、適度な距離感を取っていれば心地よい存在。
だけどそれが遠くからはどんなに美しく見えても、近づきすぎれば見たくないものを見てしまうことがある。
その醜くて歪な地表が露わになってしまうことがある。
呪いに──なってしまうことがある。
信じていた。
お互いに信頼し合っていて、何でも分かち合える相手だと思っていた。
だからこそ心を許して、だれにも言っていなかったプライベートを打ち明けたりもしたのに。
だけどそんな信頼は、あっけなく裏切られた。
投げかけられた言葉。
冷笑と、光の宿らない冷たい視線。
『──え、本当に友だちとか思ってたの? ウケる』
それは今でも、胸の奥に突き刺さったまま、抜けない。



