STORY 物語
人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王アノス。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。 魔王の生まれ変わりと目される者を集めた“魔王学院”に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!
CHARACTER 登場人物
アノス・ヴォルディゴード
泰然にして不敵、絶対の力と自信を備え、《暴虐の魔王》と恐れられた男が転生した姿。
現在の魔法技術ではその力が測りきれず、《不適合者》の烙印を押される。
ミーシャ・ネクロン
寡黙でおとなしいアノスの同級生で、彼の転生後最初にできた友人。
サーシャの双子の妹で、一五歳の誕生日に消えるはずだったが、アノスに救われた。
サーシャ・ネクロン
ちょっぴり攻撃的で自信家、でも妹と仲間想いなミーシャの双子の姉。
両の瞳に万物を自壊させる《破滅の魔眼》を宿す、通称《破滅の魔女》。
レイ・グランズドリィ
《錬魔の剣聖》と称えられながらも、いたって飄々とした性格の転校生。
およそ剣と呼べるものすべてを従え、使いこなすことができる。
ミサ・イリオローグ
白服だが笑顔を絶やさず真面目に学園生活を送る、アノスのクラスメイト。
純血の魔王族が優遇される現在の社会に疑問を抱いている。
エレオノール・ビアンカ
母性に溢れた面倒見の良い、《勇者学院》三回生のお姉さん。
学院の中でもエリートが集う特別なクラスに属している。
WORD 用語辞典
魔王学院デルゾゲード
本来は支配者階級《魔皇》を育てる魔族の学校。しかし魔王が転生するとされる時期が近づいたことで、その器となるべき優秀な魔族を選抜する役割も担う。建物はかつての魔王城デルゾゲードをそのまま利用している。
七魔皇老
二千年前、アノスが転生する直前に自らの血から生み出した七人の魔族。交配ではなく魔法によって命を創り、与えた存在。転生するにあたり、自らの血を受け継いだ肉体が必要だったために用意された。
魔王族
魔族の中でも特に、暴虐の魔王の血を引く者。魔王学院へ入学できるのは魔族の中でも魔王族のみ。中でも始祖の血を完全に受け継ぐ魔王族同士で婚姻関係を結び、その血の純粋さを守ってきた者たちは皇族と呼ばれ、高い地位にある。
皇族派と統一派
《暴虐の魔王》の血を純粋に受け継いでいる一族ほど尊い存在だとする《皇族派》に対し、血に関係なくすべての魔族は平等であるとするのが《統一派》。現在の魔界《ディルヘイド》の実権は皇族派が握っている。
神話の時代
現在から二千年以上も昔、転生する前のアノスが生きた戦乱と混沌の時代。魔族、人間、精霊、神々は同じ世界に住み、特に魔族と人間とのあいだで血にまみれた戦いが繰り返されていた。
魔法の時代
神話の時代の後、争いが無くなったことで訪れた平和な時代。魔法の時代と呼ばれてはいるが、その技術は神話の時代に比べ見る影も無く退化している。いくつかの高度な魔法は失われ、中には存在すら忘れ去られた魔法もある。
HIGHLIGHT 作品の見所
- 魔力も体力も技術も退化した《魔法の時代》にあって、存在すら忘れ去られた正体不明の魔法を使い、魔力が強過ぎて数値化できないアノスは、魔王が生まれ変わる器としての適性がない《不適合者》の烙印を押されてしまいます! おまけに「魔王の血を濃く受け継ぐ者こそ高貴な存在」という血の差別が蔓延るこの時代で、両親ともほぼ人間のアノスはまさしくヒエラルキーの最底辺!! 魔王なのに魔王の適性なしと誰からも見下される異常事態に、どう立ち向かっていくのでしょう!?
- 誰に見下されようとも、魔王の力は確かに健在! 魔王の器と目される若者が集う《魔王学院》に入学したアノスは、その強大な魔力と多彩な魔法で周囲の度肝を抜いていきます!! 血が純粋な《皇族》を尊ぶ、プライドの高い皇族至上主義者にまざまざと実力を見せ付ける……痛快なカタルシスをお楽しみください!!
- アノスは自分が魔王であることを公言していますが、どういう訳かミーシャやサーシャですらそれを信じようとはしません。そんな中、ある時アノスは何者かが暴虐の魔王を騙っていることに気づきます! 誰もが魔王の名を間違っているのも、事によるとアノスが《不適合者》とされているのも偽りの魔王の仕業……!? 二千年前から仕組まれていた陰謀が少しずつ紐解かれていく、秀逸なストーリーも『魔王学院』の魅力です!!