受賞作!
Hello,Hello and Hello
いつだって、この出会いは必然だった――
受賞作!
いつだって、この出会いは必然だった――
第24回電撃小説大賞《金賞》受賞作!
――これは僕が失った、二百十四回にも及ぶ一週間の恋の話。
そして、わたしが手にした、四年に及ぶ一度きりの恋の話。
「ねえ、由くん。わたしはあなたが――」
初めて聞いたその声に足を止める。学校からの帰り道。中学のグラウンドや、駅前の本屋。それから白い猫が眠る空き地の中で、なぜだか僕のことを知っている不思議な少女・椎名由希は、いつもそんな風に声をかけてきた。
笑って、泣いて、怒って、手を繋いで。
僕たちは何度も、消えていく思い出を、どこにも存在しない約束を重ねていく。
だから、僕は何も知らなかったんだ。
由希が浮かべた笑顔の価値も、零した涙の意味も。たくさんの「初めまして」に込められた、たった一つの想いすら。
――これは残酷なまでに切なく、心を捉えて離さない、出会いと別れの物語。
ISBN | 9784048936125 |
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判型 | 文庫判 |
ページ数 | 312ページ |
発売日 | 2018年3月10日発売 |
定価 | 671円(本体610円+税) |
賞
第24回電撃小説大賞《金賞》受賞
もくじ
Prologue 僕と彼女の出会い
Contact.92 どこにもない約束
Contact.33 夏の、一番暑い日
Contact.12 ハルの香り
Contact.0 蒼い瞳の白い猫
Contact.137 消えてしまった言葉の、その先を
Contact.213 二百十四回目の告白
Contact.214 これは、世界で一番幸せな恋の話
Epilogue ユキの匂い
人物相関図(キャラ紹介)
椎名 由希
桜の香りに包まれて、どこか寂しそうに微笑む少女。初めて会うはずの春由のことを〝由くん〟と呼び、声をかける。
瀬川 春由
みんなから〝ハル〟と呼ばれている、お人好しな少年。いろんなことに執着や熱がもてず、一生懸命何かに打ち込んでいる人へ憧れを抱く。
竜胆 朱音
春由の同級生。水泳で全国大会まで行った、学校一の人気者。中学生の頃から春由のことが気になっている。
おすすめコメント
読んでいくうちにいつの間にか引き込まれていました。 もう、最後には、凄く胸が締め付けられて、感動しました。 この作品に出会えて良かったと心の底から思います。 僕はきっとこの作品を、由希を、由希のした恋を忘れないと思います。
――Ryukun様(Twitterでの感想)
少し甘酸っぱくて、すごく切なくて。彼らがもう一人じゃないと思えること、自分の心に誰かがいるということ、誰かの心に自分がいることが、どれだけ奇跡的なことか。胸にじんわりと染み込んできます。願わくば、二人に幸が訪れんことを。
――MiyaKen様(Twitterでの感想)